SSブログ

中国山地幻視行~天神嶽・新緑のピークを縦走 [中国山地幻視行]

中国山地幻視行~天神嶽・新緑のピークを縦走

 

 5月23日、東広島・豊栄の天神嶽を目指した。山陽自動車道を東進し東広島ICで下り、国道375号を北上して安宿中村谷の神社脇の空き地に車を置いた。ここから天神嶽の南麓を貫く緩い登りである。

 木漏れ日が散る山道は広く、整備が行き届いていた。ところどころ、路傍に石仏が目立った。信心深い住民の心根が伝わった。時間ほどで縦走路と交錯する地点についた。

 天神嶽は東天神嶽(732㍍)、中天神嶽、西天神嶽(757.5㍍)の三つのピークからなる。新緑の中、まず東を、引き返して中、西へ向かった。最高峰は西である。中のピークには巨岩がそびえていた。どの地点からも、西方の鷹の巣、カンノ木山がよく見えた。雲はあるものの、晴れて遠望の利く天候であった。

 下山は同じコースをたどった。車を置いた神社の境内をめぐると、大きな力士像が鎮座していた。妙にリアルで、古いものではないようだ。誰かが奉納したのだろうが、どのようないきさつかは、境内の案内板を読んでもネットで検索しても謎だった。

 

DSC01045のコピー.jpg
木漏れ日が散る登山道

DSC01049のコピー.jpg
立派な阿弥陀堂が立っていた

DSC01051のコピー.jpg
路傍にはヤマツツジ

DSC01056のコピー.jpg
西方にそびえる鷹の巣、カンノ木山。右のとがった山がカンノ木

DSC01062のコピー.jpg
中天神嶽(右の巨岩)と西天神嶽(左のこんもりしたピーク)。東天神嶽から

DSC01076のコピー.jpg
中天神に登山者がひとり

DSC01091のコピー.jpg
西天神の山頂

DSC01092のコピー.jpg
古びた標識があるだけだった

DSC01108のコピー.jpg
麓の神社の力士像。妙にリアルだった
 

nice!(12)  コメント(0) 

中国山地幻視行~大峰山・5月の風 [中国山地幻視行]

中国山地幻視行~大峰山・5月の風

 

 「5月のそよ風をゼリーにしてもってきてください」とは病に臥せった立原道造の詩の一節だが、本当に5月の風は甘くて薄青いゼリーのようだ。

 7日の大峰山(1040㍍)。コロナ禍で人々は追放された囚人のように重い日常にとらわれている。こんな時こそ、書を捨てて山野に出よう(昔どこかで聞いたフレーズだ)。

 駐車場に車はなかった。ここにも自粛要請の影が忍び寄っていた。しかし、見上げた空は雲一つなく、気温は23度あたりを指していた。山歩きにはこれ以上ない気候だった。坂道を上って別荘地を抜けるあたり、満開の藤が目に飛び込んできた。

 山頂では2人のソロと出会った。360度の展望だ。広島湾がよく見える。遠望が利くのは空気が澄んでいたせいだろう。長期の連休とコロナ禍のせいで工場の稼働率が下がり、車の排気ガスも減っているのであろう。社会が止まっていることが実感された。

 下山にかかるころ、次々と登ってきた。みんな5月の風をゼリーにして食べに来たのだろう。

 

 

DSC01022のコピー.jpg
白い藤が鮮やかだ

DSC01024のコピー.jpg
恐羅漢山がくっきりと見える

DSC01025のコピー.jpg
吉和冠の特徴ある山容も

DSC01029のコピー.jpg
広島湾がこれほど見えるとは

DSC01034のコピー.jpg
新緑がまぶしい

DSC01039のコピー.jpg
ブナ林も輝いている

DSC01042のコピー.jpg
杉の林を光と風が通り抜ける

 


nice!(10)  コメント(0) 

中国山地幻視行~寂地山・カタクリは咲いていたが… [中国山地幻視行]

中国山地幻視行~寂地山・カタクリは咲いていたが…

 

 犬戻しの滝へ向かう遊歩道の入り口には2台の車があった。この時期としては多くない。横に車を止め、沢のせせらぎを聞きながら身支度を整えた。遊歩道と長い林道を終えて最初の急登を登り、一息ついていると後ろから「ああ、やっと人がいた」の声。こちらも、本日の山中で初めて出会った人であった。どちらともなく「人がいないですねえ」、そして「咲いてますかね」。

 4月30日、山口県の最高峰・寂地山(1337㍍)。カタクリの花目当てである。例年ならツアーバスが繰り出す「名所」だが、今年はそんな気配はない。それどころか人と出会うことさえおぼつかない。

 山頂の南、右谷山への縦走路の分岐あたりにカタクリの花の群落がある。息を切らし、急登を越えると一面に薄紫の小さな花。咲いていた。いつもの年に比べ花は小さく、数も少ないようだ。山頂への道の両側も同じ印象だった。吉和冠へと向かう縦走路は、もっと寂しかった。少し時期が早かったか。

 結局この日、山中で出会ったのはわずか数人。コロナ禍のもと、この時期としては異様な体験であった。

 


DSC04095のコピー.jpg

DSC04104のコピー.jpg

DSC04113のコピー.jpg

DSC04117のコピー.jpg

DSC04122のコピー.jpg

DSC04126のコピー.jpg

DSC04140のコピー.jpg

DSC01017のコピー.jpg
誰もいない山頂

nice!(11)  コメント(2)