中国山地幻視行~窓が山・いつもと違う道 [中国山地幻視行]
中国山地幻視行~窓が山・いつもと違う道
頂上までもうすぐだ。そう思い登山路をたどった。頭上から声がする。だれか降りてくるらしい。つづら折りの道に立っていたのは、かつて職場で一緒だったUさんだった。
窓が山は、いつもなら広島市佐伯区五日市の魚切(南側)から登るが、この日に限って安佐南区沼田の憩いの森(北側)を出発点とした。かつての山仲間が通い、登山道を整備してきたと聞いたからだった。確かに、丸太が整然と埋め込まれた道は階段状になり、歩きやすかった。倒木も見当たらない。活動の成果が出ていた。
実は、この情報を寄せてくれたのがUさんだった。この日は活動を共にするもう一人の男性と一緒だった。10分ほども立ち話をしただろうか。二人は下山、私は頂上を目指した。
窓が山の東峰。誰もいなかった。遥かに広島湾。前日より急激に上がった気温のためか、靄がかかっていた。広場には、ほうきの掃き目が清々しかった。この山はキレットを挟み頂上が二つある。若干高い西峰(711㍍)が頂上とされている。先ほどの二人が掃き清めたと思われる広場を見て、通り過ぎてしまう気にもなれず、ここを頂上として昼飯とすることにした。従ってこの日の窓が山は東峰の往復となった。
中国山地幻視行~厳島・恐る恐る石段を上る [中国山地幻視行]
中国山地幻視行~厳島・恐る恐る石段を上る
昨年暮れ以来、腰痛に悩まされ「風と歩く」も1か月余りブランクが生じた。近くの外科クリニックに通いなんとか好転したので、果たして山登りは可能か、と1月9日厳島の弥山(535㍍)にトライした。
なんだ、500㍍の山か、と馬鹿にしてはいけない。連絡船を降りて海抜ゼロ㍍から。山頂の標高は正味、足で稼がなければならない。いくつかのコース(主要には三つ、ほかにもあるらしい)があるが、私が常用するのは大聖院横から石段を上る登山路。この日、船を降りるといくつかのグループが手ぐすねを引いていたが、大聖院コースを選んだ人はいなかった。そんなわけで前にも後ろにも人のいない山道を悠々と歩いた。
山頂、さすがに人が多かった。特に目についたのは外国人。最近、よく言われる観光ニッポンへのインバウンドであろうか。日本人より多いのでは、と思われた。予報では晴れだったが薄曇り、気温やや低め。眼下の瀬戸内海は薄く靄がかかっていたものの春らしく鈍く光っていた。
気がかりは腰痛。登りはさほどこたえなかったが、下りにかかると微妙に響いた。通常2時間ほどのコースだが、この日は恐る恐る、2時間半ほどかかった。まあ、上出来の部類だろう。