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中国山地幻視行~窓ヶ山・冬の広島湾は鈍く光って [中国山地幻視行]

中国山地幻視行~窓ヶ山・冬の広島湾は鈍く光って

 

 121日。西峰の頂上に立つと、広島湾は遠く光っていた。空は快晴だが、何とも言えない鈍い光を放っていた。冬らしい、といえばいえる重く鈍い光景であった。

 …などと、感慨に浸っていると、背後に人の気配。「これから東峰に行きますか」と問う。「いや、私はここまで。この下のおんな岩というところで、昼飯を食います」と答えた。「ああ、なんともったいない」とその男性は笑ってつぶやいた。確かに、この窓ヶ山(711㍍)、名前の由来として「キレット=窓」説もあるぐらいで、山頂付近に巨大なキレットがある。そこを渡れば二度の登頂気分を味わえる。一度登れば二度おいしい山。しかし、この日は別の要件を抱えていたため、その楽しみは後日とした。

 それにしても、例年ならこの季節、山頂付近は残雪にまみれているはず。しかし、今年はその気配もない。降れば降ったで手はかじかむし、愚痴の一つも出るのだが、降らなければ降らなかったで、やはり愚痴の一つも出る。

 おんな岩で陽を浴びながら昼飯を食った後、ぶらぶらと下った。山頂直下の岩場には、真新しく太いロープが張ってあった。登りでは使わなかったが、下りでは便利だった。

 ふもとまで下り、車に荷物を片付けていると、先ほどの男性が下ってきた。「早いですね」と声をかけると、西峰から東峰に向かい、二つの峰の間にある山道を下ったという。「相当、荒れてましたね」といっていた。それはそうだろう。この山の周辺では10年余り前、豪雨による鉄砲水が出て山麓は壊滅的な打撃を受けた。その後、巨大な砂防ダムができ、くだんのルートをたどる人はほとんどいないはずだ。私も10年以上、そのルートを歩いていない。

 思わぬ昔ばなしに花が咲いたひと時だった。


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この地図では、西峰を「本峰」として紹介している

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山名の由来や、「ゼロ戦激突」の秘話など。ゼロ戦の話はこのブログでも紹介した

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山頂直下、岩場が現れる

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山頂まであとわずか。標識の文字は消えかかっていた

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鈍く光る広島湾

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真新しいロープが設置してあった。登りは使わなかったが、下りでは便利だった

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昼飯を食った「おんな岩」は、この巨岩の上

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それにしても、雪がないなあ


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