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四国幻視行~石鎚山・初冬の気配 [四国幻視行]

  

四国幻視行~石鎚山・初冬の気配


 「大山初冠雪」(朝日新聞)が報じられた112日、四国・石鎚山(1982㍍)に18年ぶり登った。快晴、風もなく快適な日和だった。しまなみ海道で今治に渡り、松山の手前で自動車道を降りて旧道を経た後、石鎚スカイラインに乗り、土小屋まで片道300㌔。宿泊した国民宿舎「石鎚」から登山道に入り、長いトラバースを経て計4.6㌔の道のりである。急峻なのは最後の1㌔ほどで、前半は木道やアルミ階段で補強され、安全度は高い。

 表参道コースとの合流点に小さな神社があり、頂上まで0.6㌔。鳥居をくぐり、段差の大きな階段を上る。片側が切れ落ちた急崖が続く。アルミや木製の補強がなければとても歩けない。この山は修験道の場として知られ、大きな輪っかの鎖場がある。18年前に堪能したので、今回はう回路を通った。しばらくして空が明るくなった。見上げると、樹氷が青い空に映えて輝いていた。思わずシャッターを切った。

 息を切らして階段を登ると、頂上神社が目に入った。さすがに人が多い。前方には天狗岳。アタックする人がぼちぼち。崖には樹氷が張り付き、初冬の雰囲気を醸し出す。紅葉の季節には間に合わなかったが、この山は実にフォトジェニックだ。天狗岳に見入っていると、背後で小さく「あっ」と叫ぶ声。振り向くと鳥が1羽。30㌢足らず、羽根の模様からホシガラスのようだ。

 山からは、瀬戸内海の沿岸がよく見えた。来島海峡大橋も見える。たもとは今治であろう。その東に、いよ西条。西に目を転じると、松山の市街地が広がる。対岸の広島県側は確認できなかった。

 前日は、瓶ヶ森(1897㍍)に登った。ガスで周囲の景観は楽しめなかった。登山路のわきには新雪。寒波の到来を告げていた。前夜あたりに降ったのだろう。石鎚、瓶ヶ森とも山頂は紅葉期を過ぎていたが、中腹は見ごろであった。


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美しい朝焼けが、一日の好天を約束していた。シルエットは瓶ヶ森

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石鎚山。見えるピークは天狗岳のそれである

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樹氷が青空に映えていた

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天狗岳。崖には樹氷が張り付いていた

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前日、ガスの中を歩いた瓶ヶ森
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ホシガラス。こちらを向いてほしかったが、かなわなかった

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笹原と急峻な斜面が特徴的な四国山地。中国山地に比べ、山が若い印象だ。地質学者でないので外れているかもしれないが

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左端に来島大橋。手前(右側)はいよ西条だろう

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松山の市街地

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四国幻視行~快適な稜線歩き・剣山 [四国幻視行]

四国幻視行~快適な稜線歩き・剣山

 

 5月1617の両日、四国第2の高山・剣山(1955㍍)に登った。剣といえば北アの剱岳が連想され、裏剣から見た天へ伸びる岩峰がその名の由来を思わせるが、剣山は名前と違ってなだらかな山である。周囲の山々ともミヤマクマザサの稜線でつながれ、荒々しいイメージはない。山名のいわれは、頂上直下の大岩・宝蔵石の下に安徳天皇が剣を埋めたためという説、中腹の大剣神社のご神体である高さ50㍍の巨岩が剣に似ているためという説の二通りあるようだ。

 広島から東へ走り、児島―坂出間の瀬戸内自動車道を渡って松山自動車道と徳島自動車道をひた走って美馬市内から山間部を縫う国道438号を伝い見ノ越に着く。休憩を入れざっと5時間の行程である。それでも、昔に比べれば高速道が整備され、走りやすくなった。

 見ノ越からは、標高差300㍍を15分で上がるリフトを利用。そこからさらに1時間弱歩くと剣山頂上ヒュッテ小屋である。荷物をひとまず置き、一ノ森(1879㍍)まで往復。片道約1時間である。ガスがかかって眺望は望めなかった。

 翌朝、ヒュッテから剣山の山頂を経由して次郎笈(1930㍍)へ向かった。石鎚、剣山、石鎚山系二ノ森に次ぐ四国第4の山である。剣山から木製の階段で急降下した後、ササ原のなだらかな稜線を歩く。三嶺(みうね)へ16000㍍とある標識を右に見て、直登にかかる。ここからは結構な急登。しかし、しばらく我慢すれば釣り尾根につく。雲上を行く気分をつかの間味わって頂上へ。剣山から約1時間。360度の展望である。ほぼ西の方角に三嶺への稜線が望める。快適そうだが16㌔は長い。

 剣山との鞍部に下り、剣山をトラバースする道を行く。水平に切った道で歩きやすいが、途中で崩落のため通行止めとなり、大剣神社へ登り返すよう標識がある。急登を我慢して神社の境内。山名の由来の一つとされる大剣岩が、神社の背後にそびえる。ここからは下りの山道。600㍍ほど行けばリフト乗り場に着く。

 帰途は自動車道を今治まで走り、しまなみ海道を経由して広島へ。

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次郎笈との鞍部から剣山を望む

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次郎笈はなだらかな山である

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一ノ森へ

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 剣山から一ノ森への稜線。次郎笈の山頂から

 

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剣山の山頂。自然保護のため、木道が敷き詰められている

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剣山頂から次郎笈を望む

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大剣岩。そばに神社の屋根が見える


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