中国山地幻視行~深入山・夏色の [中国山地幻視行]
中国山地幻視行~深入山・夏色の
梅雨が明けた。夏本番である。さて、どこに登るか。歳と共に発想は一元化し、この時期の定番の「あの山」に決まった。
沢や谷伝いの山道か、それとも開放的な尾根筋か。谷沿いだと木々が日差しを遮ってくれる。渓流があれば、多少とも涼しい。難点は風がないこと。湿度も高い。下手をすると角幡唯介の「空白の五マイル」の世界になる。そんなわけで、開けた尾根筋を選んだ。
7月1日、深入山南登山口の駐車場へ車を入れた。誰もいない。予報は猛暑を告げていたし、実際に麓に近い安芸太田町加計では(翌日の新聞が伝えたところでは)最高気温37.4度を記録していた。こんな日に熱中症のリスクをおかす酔狂もいないということだろう。
山道では、ウツボグサが出迎えてくれた。地味なたたずまいだが、今の季節、路傍を彩るのはこの花ぐらいだ。
じりじりと首筋を焼く日差し。なかなか過酷だ。夏草茂る尾根を渡る風が心地よい。ザックの気温計を見ると29度。計算通りだ。山頂は1153㍍。物理的な計算では平地より8度ほど下がるはず…。
ササユリが咲いていた。開花時期はとうに過ぎたはず。花弁は風雨に痛めつけられたか、傷だらけだった。
山頂。眺める山並は、夏色というのだろうか、青と緑の混じった深い色をしていた。…などと感慨にふけっていたら、女性のグループがにぎやかに登ってきた。酔狂はほかにもいた。
沢や谷伝いの山道か、それとも開放的な尾根筋か。谷沿いだと木々が日差しを遮ってくれる。渓流があれば、多少とも涼しい。難点は風がないこと。湿度も高い。下手をすると角幡唯介の「空白の五マイル」の世界になる。そんなわけで、開けた尾根筋を選んだ。
7月1日、深入山南登山口の駐車場へ車を入れた。誰もいない。予報は猛暑を告げていたし、実際に麓に近い安芸太田町加計では(翌日の新聞が伝えたところでは)最高気温37.4度を記録していた。こんな日に熱中症のリスクをおかす酔狂もいないということだろう。
山道では、ウツボグサが出迎えてくれた。地味なたたずまいだが、今の季節、路傍を彩るのはこの花ぐらいだ。
じりじりと首筋を焼く日差し。なかなか過酷だ。夏草茂る尾根を渡る風が心地よい。ザックの気温計を見ると29度。計算通りだ。山頂は1153㍍。物理的な計算では平地より8度ほど下がるはず…。
ササユリが咲いていた。開花時期はとうに過ぎたはず。花弁は風雨に痛めつけられたか、傷だらけだった。
山頂。眺める山並は、夏色というのだろうか、青と緑の混じった深い色をしていた。…などと感慨にふけっていたら、女性のグループがにぎやかに登ってきた。酔狂はほかにもいた。