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カールへの旅・錦繍を求めて(上)~北ア幻視行 [北アルプス幻視行]

カールへの旅・錦繍を求めて(上)~北ア幻視行

 

 「美しい紅葉」全国ランキングをやると、必ず1位になる地がある。北アルプス、穂高に抱かれた涸沢である。一度はシーズンに訪れたいと思いながら果たせないでいた。そろそろ体力的に不安な歳である。一念発起、かの地へ向かうことにした。

 決心はしたものの、日程はなかなか決まらなかった。9月下旬から10月上旬にかけて、毎週のように台風が来襲したためである。長期気象予報と紅葉に最適な時期を見定め、日程を確定させたのは、旅立つ前日だった。

 10月8日(火)に出発、松本に宿泊。広島を出てその日のうちに横尾まで足を延ばさなかったのは、横尾山荘が満室だったからだった。とりあえず松本市内に宿を取り、翌9日(水)早朝に上高地に向かい、そのまま涸沢まで登り切ることにした。コースタイムで正味6時間は、歳からすれば冒険ではあった。

 気象予報で確認していたが、上高地に着いたころ、空は見事に晴れていた。涸沢に滞在する9、10の両日は絶好の晴れ間が広がるはずだ。

 横尾には午前10時過ぎに着いた。いいペースだった。昼飯のカレーライスをとり、涸沢へ向かった。しかし、本谷橋から先は本格的な山道になる。途端に足が重くなった。でも、いくら何でも夕方までには着くだろう。気楽に構えた。走るように軽快に登る人もいれば、鈍牛のごとき足運びの人(私のことである)もいる。途中、目を上げると、はるか先に白く輝くカールと黒い岩稜、そして錦繍の一端が望めた。



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河童橋から奥穂を望む。見事な青空だ

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早朝の明神館は既ににぎわっていた

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明神岳

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朝陽がまぶしい徳沢園

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横尾から。左に前穂の東壁が見える

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横尾山荘。ここで早い昼食をとった

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屏風岩が迎えてくれた

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本谷橋。昔は本当に丸太一本の橋だった

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涸沢と前穂の稜線を望む

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振り返れば、紅葉の屏風岩

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