中国山地幻視行~恐羅漢山・物語のこちら側 [中国山地幻視行]
中国山地幻視行~恐羅漢山・物語のこちら側
中国自動車道の戸河内ICを降りてしばらく、満開の桜の花吹雪をくぐった。しかし、恐羅漢山の駐車場から眺めた景色は冬の色をしていた。荒い息を吐きたどり着いたゲレンデ上部には汚れた雪の塊があった。季節の流れにあらがっているようだった。
標高1346㍍の山頂は冬枯れていた。木々は孤独なたたずまいで春を待っていた。登ってくる人もいない岩陰で昼食をとった。吹き来る風と光だけが次の季節の色をしていた。(4月3日)