中国山地幻視行～大峰山・風は秋の色をして

中国山地幻視行～大峰山・風は秋の色をして

　杉林がのしかかってくる。最後の急登だ。気温は20度を少し超えたあたり。風は冷気を含み、秋の色をしている。ただ、日差しがきつい。見上げた空は雲一つない。
　10月２日、大峰山(1040㍍)。コロナ禍もひと段落の週末、人出が多いかと思いきや、さほどでもなかった。駐車場には３台ほど。山道で出会った人は、ここまでで一人。
　山頂には、カメラを抱えた先行者が一人。やがて夫婦連れが登ってきた。
　カメラの男性に声をかけた。「きょうは、四国は見えないねえ」「台風一過で期待してきたんですけど」と男性。広島湾は霞がかかっていた。気温が高いせいだろう。ザックから食糧を取り出し、昼食の準備にかかった。カップヌードルを見て「うまそうですねえ」と男性。そうなのだ。こんな快晴の日、山頂で食らうのにこれ以上のものがあろうか。
　下山にかかると、若い集団が登ってきた。山頂の大岩がにぎやかになることだろう。

最後の急登。風は冷気を孕み、日差しは強い

山頂から広島方面を望む

山頂から山口方面を望む

山頂から広島湾を望む

正面の山頂では謎の開発が進む

山頂の大岩

タグ：中国山地 大峰山