中国山地幻視行~窓が山・夏を引きずって [中国山地幻視行]
中国山地幻視行~窓が山・夏を引きずって
樹間に薄暗く口を開けた登山道に足を踏み入れた。急登が始まった。汗が噴き出す。予報では、この日も30度近い気温だという。10月14日、窓が山。北の国では紅葉の季節というのに、この地方はまだ夏を引きずっていた。
こんな日、よりによってこの山を選んだことへの後悔が沸き上がる。標高こそ711㍍だが、広島市近郊の住宅街から屏風のようにせりあがる。山頂まで急登、急登である。風はない。かぶったキャップのひさしから汗がしたたる。たまらず小休止。見上げた松の幹に白い巨大なキノコ。思わずぎょっとした。ツキヨダケか。少し形状が違うようだ。ヒラタケかムキタケか。
それでも、ザイルの下がった岩場まで来た。頂上は近い。
この山は、キレットを挟んで西峰、東峰と頂が二つある。表示の標高は、西峰である。東峰が10㍍ほど低い。
まず西峰に到達。山頂は雑木に囲まれ、展望はよくない。一息つき、東峰に向かった。キレットの底に降り立ち、鎖場を登り返す。30分ほどで、巨岩が座る頂上に着いた。先客が3人ほど。眺望抜群である。広島の市街地から広島湾、厳島までのパノラマが広がった。
2021-10-18 11:49
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