SSブログ

中国山地幻視行~三倉岳・空は青く高く [中国山地幻視行]

中国山地幻視行~三倉岳・空は青く高く

 

 枝葉を激しく揺さぶる風は思ったより冷たかった。長そでの山シャツを着こんできたのが正解だった。それにしてもこの山は、嫌になるほどの石段続きだ。

 10月7日、三倉岳。

 奥秩父に瑞牆山というのがあり、名前は知っているが登ったことはない。時々、山番組で見ては一度登ってみたいと思う。三倉岳はこの瑞牆山に似ている。全山、花崗岩でできているところもおそらく共通項だろう。といっても、これで止めてしまうと瑞牆山ファンに叱られそうだ。なにせ、標高が違う。向こうは2000㍍を超すが、こちらは700㍍。3倍の開きがある。多少のやせ我慢を言えば、それを帳消しにする開けた眺望が、この山にはある。

 それにしても、残念なのはこの山の特徴である三つのピークを縦走できないことだ。2年前の夏の豪雨禍でルートが崩れ、通行止めになった。一度、様子見に縦走を決行したが、管理者が禁止している以上、事故を起こせば自己責任なので以来自粛している。そんな中、今回の山行で新しい注意書きに気づいた。鎖が腐食しているので危険、とある。以前の縦走で、中岳から夕陽岳に至る長い鎖場で足がかりがなくなったことに気づいた。おそらく崩壊したのだろう。それまでは鎖に頼らなくても登れたが、ぶら下がらなければならず、鎖が外れたら落下しかねない状態になっていた。おそらくそのことを指すのだろう。やはり、訪れる人は夕陽岳までか、中岳までの往復にしておいたほうがよさそうだ。そのうえで、縦走が可能になるよう管理者には早期復旧をお願いしたい。

 山頂からの眺望は、風が強かったせいか素晴らしかった。秋らしく空は青く高く、瀬戸内海の島影の向こうに四国山地の高い稜線が望めた。写真に写しとることは、ほとんど不可能だったが。

 

DSC01267のコピー.jpg
9合目の分岐。縦走はやめて、の注意書き

DSC01268のコピー.jpg
「鎖が腐食、危険」の注意書きは初めて

DSC01269のコピー.jpg
相変わらずロープで通行止め

DSC01270のコピー.jpg
夕陽岳から栗谷の集落を望む

DSC01272のコピー.jpg
広島の市街地方面。大野権現の特徴ある山容が目につく

DSC01274のコピー.jpg
島影の向こうに四国山地。見えるかな?

DSC01284のコピー.jpg
山口県方面。正面は羅漢山

DSC01288のコピー.jpg
夕陽岳を見上げる。5合目の大岩から

DSC01289のコピー.jpg
同じ地点から中岳を見上げる

DSC01298のコピー.jpg
三倉岳の全容

DSC01300のコピー.jpg
赤い実が午後の日差しに映えていた

nice!(8)  コメント(2) 

nice! 8

コメント 2

Jetstream

なるほど、中国山地の瑞牆山!上れるように、整備されればいいですね。
by Jetstream (2020-10-09 19:45) 

asa

≫jetstreamさん
地元の人たちは広島のマチュピチュといっているようですが、私は広島の瑞牆山といったほうがぴったりくるように思います。ただ、一般受けするかどうかは分かりませんが。
by asa (2020-10-10 15:22) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。