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中国山地幻視行~三倉岳・この山には晴天が似合う [中国山地幻視行]

中国山地幻視行~三倉岳・この山には晴天が似合う

 

 126日、窓のカーテンを開けると、雪が舞っていた。予報は確かに、今季最強の寒波襲来を告げていた。しかし、ここは広島湾岸の住宅街である。ここまでは来ないだろうとタカをくくっていた。根拠のない予想は、見事に外れた。

 

 前日の25日、山へ向かった。最近、足が遠のいている。そうした後ろめたさもあった。目指したのは三倉岳だった。先日登った時には豪雨禍の影響で周回路が不通になっていた。あの道はもう再開しただろうか。少し気になっていた。

 

 三つあるピークのうち、最も西側の頂を夕陽岳と称している。そこから山麓を見下ろすと、なにやら巨大な象の背中にいる気分になる。眼下に広がる田園地帯を象の頭越しに見渡す構図の中にいる気分である。

 

 登山口で確かめたところ、周回路は不通のままだった。三つのピークうち向かって右側の二つは縦走できるが、最高峰に行くには左手のコースをたどり、往復するしかない。せっかくなら最高地点を踏みたく思い、後者を選択した。登山口から1時間半ほどでピークを踏み、同じコースを下った。やはり、これでは面白くない。味気ない。周回路の再開を熱望するばかりだ。

 

 山を下りきって、振り返った時の三倉岳は、いい表情をしていた。やはりこの山には、雪空より雲一つない晴天が似合う。

 

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巨大な象の背中に乗った気分

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右側の丸い山は羅漢山。雪はなかった

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左が夕陽岳、右が中岳。5合目あたりの大岩から

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右の二つは往復できるが、最高峰の左のピークに行くには往復するしかない

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案内板も「不通」を告げていた
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夕陽岳の頂上直下にある通行止めのロープ 

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