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中国山地幻視行~不思議な山名と錦繍をまとって・鯛ノ巣山 [中国山地幻視行]

中国山地幻視行~不思議な山名と錦繍をまとって・鯛ノ巣山

 

 秋晴れの1031日、「鯛ノ巣山」という不思議な名前の山に登った。広島県に近い島根県にある。1026㍍。紅葉が楽しめるのでは、と思ってのことだ。

 山名の由来について、確たる説はないようだ。ふもとの奥出雲は陰陽の物資の集積・中継地点に当たり、日本海側の魚が集まってくる―即ち「鯛の集(す)」の地域ということから、という説が有力なようだが、定説ではない。

 ほぼ独立峰で登山口は標高450㍍。頂上までの標高差は600㍍弱で、結構な急登である。登るにつれ深さを増す紅葉と黄葉が唯一の励みである。途中の眺望はあまりない。それでも9合目あたりから水平な尾根道に変わり、黄葉の「ゴールデンゲート」が続くと、心も浮き立つというものだ。

 頂上付近は、おそらく地元の人の奮闘の結果であろう、雑木がきれいに刈り込んであった。眼下に奥出雲の山里が広がる。その向こうに、海と半島。宍道湖と中海であろう。右へ、つまりは東へ目を転じると大きな山塊がうっすらと見える。大山である。翌日知ったことだが、この日の大山は初冠雪だったという。

 頂上から南方向へ300㍍移動すると「弁当大岩」というこれまた不思議な絶壁がある。おそらく、景色がいいので昔はここで飯を食った、という意味であろうか。これも、山名同様、心もとない推理である。しかし、名前の由来はともかく、正真正銘の絶景であった。向かいには広島県側と思われる山(猿政山であろうか)が屹立し、足下の谷間を道路が縫っている。国道432号と思われる。そしてこの山、鯛ノ巣山のきらびやかな錦繍の衣が谷へ向かってなだれ込んでいた。

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あと少し、急登が続く

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山頂への尾根道はゴールデンゲートが続く

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大山の山塊が浮かび上がる。山頂から

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眼下に広がる奥出雲の山里。山頂から

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広島県側の山並み。「弁当大岩」から

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日差しに映える紅葉。「弁当大岩」から

 


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