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中国山地幻視行~毛無山・やっぱりカタクリは遅かった [中国山地幻視行]

中国山地幻視行~毛無山・やっぱりカタクリは遅かった


 広島から車を走らせて200㌔余り、鳥取・岡山県境の毛無山(1218㍍)へ向かった。カタクリの群生で知られる。以前登った際は、大振りで色の濃い花が印象的だった。それをもう一度見たくて、5月2日に遠征した。

 けなしがせん、と読む。同名の山は広島県内にもいくつかあるが、いずれもけなしやま、と読む。鳥取、兵庫、岡山の北部には、大山(だいせん)、氷ノ山(ひょうのせん)のように「山」をせんと読む呼び方が多くみられる。朝鮮半島の文化の影響ではないかと思う。

 さて、登山口のある新庄村役場に寄り、カタクリの咲き具合を聞いた。やはり、盛期を過ぎているようだった。今日あたりで間に合うかどうか…という役場職員の話しぶりであった。

 この山は、ブナ林の美しさでも知られる。以前に登ったのが10年以上も前で、その時より樹は大きさを増していた。雲一つない青空に新緑がよく似合った。しかし、10年の歳月はなかなか残酷である。以前は何とも思わなかった急登が身にこたえた。休み休み、あえぎあえぎの歩みであった。

 最後の急登を越えると、目に大きな山塊が飛び込んだ。大山である。こんなに近かったとは。あらためて記憶の不確かさを思う。その右手には蒜山のアップダウンが続き、左手には長い稜線が日本海へと落ち込むさまが見て取れる。

 高い標識の立つ毛無山頂上から白馬山方面へ緩やかな稜線が延びる。カタクリはその一帯に咲いているはずであった。しかし、やはり少し遅かったらしい。わずかに残ったものは花弁が傷つき、しおれていた。その中で、けなげに咲く数輪を見つけ、カメラに収めた。色の濃さはかつてと同じであった。

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毛無山の頂上直下から登山口方面を望む

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大山。ほぼ南から眺めたら、こんな形になる

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カタクリの花。わずかに残っていた

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カタクリの花

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白馬山への稜線から見た毛無山の頂上


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