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中国山地幻視行~新緑の寂地山 [中国山地幻視行]

中国山地幻視行~新緑の寂地山

 5月5日。犬戻しの滝の遊歩道入口に着いたのは、午前8時過ぎだった。先客が一人。駐車スペースを確保するために、と早めに家を出たが、拍子抜けである。登山客が多いと踏んだのは、この山のカタクリの季節はまだ終わっていないだろうと思ったからだ。しかし、この人の少なさは…。悪い予感がする。

 ちなみに、この寂地山(1337㍍、山口県の最高峰)をこの季節おとずれたのは、昨年と一昨年が5月2日、その前年が5月5日だった。いずれも、山頂付近にカタクリはちゃんと咲いていた。しかし、今年はどの山も花の咲く時期が早い。先客とも言葉を交わしたが、この山は不案内のようだった。滝の横をめぐる遊歩道に足を踏み入れると、むせかえるような緑がかぶさってきた。

 標高1050㍍に、水の湧き出す場所がある。広葉樹林がためこんだ冷たい水である。「延命水」と名づけられている。急登を我慢し、山腹をしばらくトラバースした位置にある。喉をうるおして、一息つく。まさしく延命の水である。

 山頂は見晴らしがきかない。ただ標識が建つのみである。木製のテーブルが二つ。2、3のグループが食事に取りかかっていた。新緑の間から太陽の光がこぼれ、風が吹いて心地よい。風もまた、緑の色をしているようだった。

 カタクリの季節は終わっていた。いくつか咲いていないわけではなかったが、薄紫の長い花弁は傷つき、しおれ、カメラに収める気にはならなかった。

 下りの長い林道は、新緑のトンネルだった。それが今日の収穫であった。

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駐車スペースに車を入れる 

 
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標高1050㍍の「延命水」

 
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山頂には標識が建つだけ

 
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水が恋しい季節になった 

 
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新緑のトンネルをくぐって

 
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山々も装いを新た


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山子路爺

最近はコンビニで買った水を携帯し、山水を飲まなくなりました。
以前は水場を確認して山に入ったものですがね。

by 山子路爺 (2015-05-09 23:17) 

asa

≫山子路爺さん
確かに、わたしもそうですね。ここは絶妙のタイミングで水場があるので、つい飲んでしまいます。
by asa (2015-05-13 08:19) 

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