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オバサンたちのサバイバル~映画「滝を見に行く」 [山の図書館・映画館]

オバサンたちのサバイバル~映画「滝を見に行く」


 紅葉と滝を見に行くツアーに集ったオバサン7人。ところが、ガイドは新米だった。山中でコースを見失い、「様子を見に行く」と行ったきり帰ってこない。残された7人は待ちくたびれ、ついに下山を決断する。ところが途中で、草生した「下山近道」の標識を見つけたから、話がややこしくなる。一人がコンパスを取り出し「方向は合ってる」と下り始めたものの、途中で橋が流されていて立ち往生。やむなく引き返すが、もう方向が分からない…。

 ストーリーは極めて単純だ。元々見知らぬ7人が山中で迷い、サバイバル生活を余儀なくされる。その中で、それぞれの横顔が垣間見える。妻子ある男性との恋に疲れた女。教え子との長い恋の末、結婚したが別れてしまった女。家庭にこもりきりの生活を見かねた娘に勧められてツアーに参加した女。しかし、みんなオバサンである。そんなたたずまいの中で、のっぴきならない人生とタダモノでない存在感が、それぞれの背中に見え隠れする。人間観察の妙である。

 そして、最後はきちんと「よかったね」というところに落とし所が設けられている。オバサンたちが山中で縄跳びをするシーンがあるが、それを見ていると、この山の中はオバサンたちの楽園と化してしまったのだろうか、とさえ思える。案の定、だれかが「救援が来なければみんなでここに住めばいいのよ」というが、「それはごめんだね」とだれかが返す。

 1時間半ほどの作品で、何が言いたいわけでもないが、なぜか観ているものを楽しくさせる映画である。2014年、沖田修一監督。

滝を見に行く.jpg
 

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コメント 4

Jetstream

Happy-end で終わったわけですね。 !(^^)!
サーバイバル状況に置かれるとそれぞれの想いが去来するんでしょう。
ともかく今のオバさま方は元気ですね。 !(^^)! (笑)
by Jetstream (2015-02-11 15:04) 

asa

≫Jetstreamさん
あまり結末が分かると興ざめするような…
でも、面白い映画でした
by asa (2015-02-12 15:12) 

山子路爺

歳とともにいろんな所に不都合が起きてきているので……
こんな事にならない様に気をつけねば。

by 山子路爺 (2015-02-18 21:44) 

asa

≫山子路爺 さん
同感ですね。野宿はそろそろきつい。
by asa (2015-02-25 21:29) 

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