中国山地幻視行~比婆連山の残雪 [中国山地幻視行]
中国山地幻視行~比婆連山の残雪
先日、大山からの帰途、山道でイノシシにぶつかられた。バックミラーで見ていると、当のイノシシはのそのそと雑木林へと姿を消したが、車の前部が壊れ、かなりの被害だった。保険会社にも掛け合ったが対人、対物条項はあっても対動物の条項がないので適用外だった。出費は痛かったが、なんとか2週間ほどで修理を終えた。
気候のよさに誘われ、その車で県北の比婆連山を訪れた。麓に向かう山間の道はサクラが満開だった。平地と2週間ぐらいは季節が違う印象だ。そんな景色を見て「これはヤバイぞ」と心中思った。雪道を歩く準備を全くしてこなかったのだ。
出雲峠を越えるころ、残雪が現れ始めた。先日の吉和冠で懲りたはずなのに、何と学習能力のないこと。しかし、道の端を歩けば登れないことはない。気温は高くもなく低くもなく。やや風がある。登山口から1時間余りで烏帽子山(1225㍍)。向かいの吾妻山もまだら模様に残雪をまとう。振り返って比婆山の北面はほぼ全面、雪に覆われていた。
大げさでなく、比婆御陵(1264㍍)の周辺は雪原だった。不思議なことに足跡がほとんどない。ここ最近、人は通っていないのだろうか。それとも最近、雪か雨だったのだろうか。冬眠あけのクマが怖い。ザックに付けたクマよけの鈴が頼りである。古代から立つという大きなイチイの木を過ぎるころ、一人の縦走者と出会った。「残雪が多いですね」と声をかけると「今年は特に多いのでは」という。比婆山を過ぎるとさすがに雪は少なくなった。
池の段(1279㍍)は風が強かった。少し下って風裏にあたるあたりで昼飯にした。握り飯をほおばっていると、向かいから登山者がひとり。大きなカメラを抱えていた。縦走中、出会ったのは、以上の2人だけだった。縦走路で標高がもっとも高い立烏帽子(1299㍍)には、雪はほとんどなかった。
この時季の山は、芽が吹く直前のふんわりした雰囲気を漂わせる。山肌を覆うブナ林が、遠目には動物のやわらかい毛のようだ。そんな中、ところどころ白い花がアクセントになっている。タムシバであろう。コブシに似ていて区別が難しく、自信はないが。
比婆山の北面は雪に覆われていた |
比婆御陵のあたりは雪原状態 |
池の段と立烏帽子と残雪 |
立烏帽子から池の段を望む |
春の山なみ |
タムシバ…たぶん |
季節の忘れ物 |
こんな注意書きが… |
イノシシにぶつけられたとは災難でしたね。 これは当てられ事故ですが 動物は保険対象外とは・・・ (加害者?の)証明が出来ないからなんでしょうね。
静かな残雪の春山を楽しまれたと察します。 !(^^)!
by Jetstream (2014-04-26 01:02)
≫Jetstreamさん
そうです。「加害証明がないからダメ」と言われました。
街中を走る分には、想定が必要ないのでしょうが…。
by asa (2014-04-26 07:45)
イノシシにぶつかったと見て、体当たりでもされたのかと思いましたが、車で幸い?でしたね。 山間部に住んでいる人だと、イノシシは頻繁に、場合に寄っては鹿や熊とも衝突事故がありますからね。 自分も、何度か目の前に動物(猿やカモシカとか)に出てこられ、冷やっとした事がありますよ。
by おど (2014-04-28 20:22)
≫おどさん
大きなイノシシ(100キロぐらいはあったかも)だったので、生身にぶつかられたらちょっと大変でしたでしょうね。
山道でクマに出会ったこともあります(ただし、車を運転中)。これも怖いですね。
by asa (2014-04-29 16:47)