旅におぼれて~東欧・中欧点描⑤プラハ 衛兵たちの沈黙 [旅におぼれて]
旅におぼれて~東欧・中欧点描⑤プラハ 衛兵たちの沈黙
アウシュビッツからプラハに向かう途中、ボヘミア南部のチェスキー・クルムロフに寄った。チェスキーは「チェコの」、クルムロフは「ねじれた形の川辺の草地」と言った意味である。その名の通り、ヴルダヴァ川がう回いする地に古い家並みがぎっしりと建ち、中世の雰囲気を醸し出す。ヴルダヴァ川と言われても我々にはピンとこないが、モルダウ川と言われれば、ああそうか、と思う。そして、頭の中にスメタナが流れ出す。しかしモルダウはドイツ語で、この地では絶対に使わないという。17世紀、ドイツによるボヘミア占領は血なまぐさかったにちがいない。
プラハに着いたころには夜の帳が降りていた。翌朝、まずプラハ城に向かった。立派な門があり、それぞれに衛兵が立つ。あたりは雪景色で結構寒い。どのくらいの時間立っているのか、と尋ねたところ、1時間おきに交代という。交代式も見せてもらった。このセレモニーは、社会主義の時代にもあったのだろうか。なかっただろうな…。聞いておけばよかった。
この城の前にはフラッチャニ広場があり、オバマ大統領がプラハ演説をしたことで知られる。カメラに収めたが、人がいなければただのだだっ広い広場である。
城内に入ると、これぞゴシック建築という感じで大きな尖塔が建っている(後で調べてみると、10世紀に建てたときはロマネクス様式で、その後改築した)。聖ヴィート大聖堂である。高さ96㍍、奥行き124㍍、幅60㍍の威容だ。この世をつくるのに、神はまず光を与えたもうた、という教えの通りキリスト教は光を大切にするが、この大聖堂もステンドグラスが見事である。
チェスキー・クロムロフの家並み |
プラハ城の衛兵の交代式 |
オバマ大統領が演説したフラッチャニ広場 |
聖ヴィート大聖堂 |
聖ヴィート大聖堂の内部 |
聖ヴィート大聖堂のステンドグラス |
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