中国山地幻視行~ある足跡・窓が山 [中国山地幻視行]
中国山地幻視行~ある足跡・窓が山
山頂から10㍍ほども下ると、右手に小道がある。抜けると、突き出た巨岩の上に立てる。岩の下は数十㍍中空である。私のお気に入りの場所でもある。はるか宮島から広島市内、山間には魚切ダムのきらめく湖面も見下ろせる。
この日は標高500㍍を過ぎたあたりから雪道になった。巨岩の上にも雪が積もっていた。そこに足跡が一筋。人間のそれではない。巨岩の付け根から、まるで中空の底を覗きこむかのように足跡は続いていた。形跡からするとイノシシかシカであろう。ウサギではない。このあたりは猿も出没するが、猿でもない。岩の先端でひとしきり眺めを楽しんだ後、身をひるがえしたのはいいが、スリップしたらしい。なんとか途中でとどまり、大事にはならなかったようだ。
1月20日、窓が山(711㍍)。窓はキレットから名づけられた。その名の通り、この山にはピークが二つあり、間には山容に似合わぬ大きなキレットがある。巨岩のある西峰からもう一つのピーク東峰にいたるキレットの底には深い雪が吹きだまりのように積もっていた。予想もしなかったので、ローカットのシューズで登ってきてしまったことを悔やんだ。
2013-01-20 17:39
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コメント(2)
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大事に至らなくてよかったですね。
写真を拝見すると、大変いい眺めです。
足跡は、クマではないのは明らかなのでひとまづ安心ですね。
by Jetstream777 (2013-02-01 23:07)
≫Jetstream777さん
そうそう、クマを忘れてました。この辺はクマも出るようです…が、クマではなさそうです。
by asa (2013-02-02 01:01)