中国山地幻視行~おっ雪だ・大峰山 [中国山地幻視行]
中国山地幻視行~おっ雪だ・大峰山
12月中旬ともなれば、やっぱり冷え込むなあ。
駐車場に車を入れる。一番乗りだ。きょうは月曜日。こんな週初めから山に登る人間なんていないか。そう思いながら歩きはじめる。山道は、少しだがぬかるんでいる。その上を、落ち葉が覆っている。気をつけないと、滑りそうだ。そのうち冷えた体もあったまって調子よくなってきた。
1時間ほどで、頂上。やっぱり誰もいない。下界を眺めていると、垂れこめた雲が切れてシャワーか木漏れ日のように陽が差してきた。ナントカ現象というはずだが、思い浮かばない。何と言うんでしたっけ?
飯でも食うか。
準備をしていると、下から人の声。3人連れの男性が登ってきた。
「ここで初日の出を見たことがありますか」
突然聞かれ、戸惑う。
「いやあ、ここには来たことがないですね」
「そうですか。今度の正月に来てみようと思って。あまり人が多いようだとやめようと思うんです」
なるほどね。この山はいわゆる非対照のかたちで、北西方向はなだらかだが東南の方角は切り立っている。しかもその前方は視界を遮るものがない。そして、広島市内から最も近い1000㍍峰である。日の出はよく見えるだろう。正月元旦、見に来ようと思う人がいても不思議はない。しかし、わたしは来たことがない。
そのうち若い女性が2人。ファッショナブルな格好で手には小さな雪だるまを持っている。途中の藪の中で雪を見つけ、つくったらしい。お互い、小さなカメラで写真を取り合っている。
「撮ってあげましょうか」
声をかけると
「いいです」と、山賊でも見るような眼で見られてしまった。
気が付くと先ほどの男性3人はさっさと下りてしまっていた。
「山賊じゃないよ」と言いたかったがやめておいた。
頂上直下の8畳岩(という平らな広い岩がある)で荷物をまとめていると、先ほどの2人連れが下りて来て、コッフェルをガチャガチャ言わせながら食事の支度を始めた。
「じゃ、お先にね、さようなら」というと
やっと笑ってもらった。ああ、よかった。
登りの時には気付かなかったが、よく見ると樹の幹には雪がこびりついていた。昨夜降ったものか、まだ新しい。まさしくこびりつく、といった感じのささやかな雪だったが、わたしにとっては今シーズン初めて見る雪である。見栄えは良くなかったが、写真に撮った。
落ち葉の道。こんな道を歩くと、いつになく哲学的になる |
垂れこめた雲の隙間から陽が差す |
こびりついた雪。まだ新しい |
雲は厚いですが、展望が得られて良かったですね。 しかし、平日でも結構山登る人いますよねぇ・・・。
by おど (2011-12-12 21:10)
私ならよろこんでasaさんに写真撮っていただくのですが~
いつかお願いいたします♪
by よしころん (2011-12-13 17:49)
雪の降る季節になってきましたね。
なんだか嬉しいのは雪の多い地域も少ない地域も
同じでしょうか。街中だとちょっと面倒くさいですが(^^;)
by ken_trekking (2011-12-13 18:21)
≫おどさん
こんな?山で5人ですから、結構多いですね。ちなみに、駐車場には私の車を入れて4台止まっていました。
≫よしころんさん
いえいえ、手がふるえそうです。
≫ken_trekkingさん
たしかに、街中だとうっとおしいのですが、山中だとわくわくしますね。これからですね~
by asa (2011-12-13 20:15)
わたしの方面は、昨年の12月に比べると今年は寒いのに、雪が少ないという奇妙な現象です。
正月の日の出? もうそんな時期になりましたね。
by Jetstream777 (2011-12-15 23:49)
≫Jetstream777さん
スキー場に通っていたころのことを思い出すと、例年12月中ごろにどかっと1㍍ぐらい(もちろん山間部の話)雪が降って、年末に降るか降らないかでスキー場とスキー客がやきもき、というのが恒例だったように思います。それからすると、今年(というより最近)は雪が降りませんね。
by asa (2011-12-16 15:20)
これからは若い女性に
「撮りましょうか」とは言わない事にしよう。
by 山子路爺 (2011-12-16 15:31)
≫山子路爺 さん
いやいや、やっぱり声をかけてあげてください。
by asa (2011-12-18 08:45)