中国山地幻視行~文珠山・うららかな瀬戸の絶景 [中国山地幻視行]
中国山地幻視行~文珠山・うららかな瀬戸の絶景
中国山地が寒波に見舞われた12月17日、南に向かった。
山口県の柳井沖にある屋代島は、瀬戸内海で淡路島、小豆島に次ぐ大きさである。そこで、正式名称とは別に大島と呼ばれる。しかし日本中に大島はいくつもあるため、混同しないよう周防大島と呼ぶこともある。最高峰は嘉納山(685㍍)で、本土側から見て手前にある文珠山(663㍍)と合わせ、縦走を楽しめる。その先に嵩山(619㍍)という姿のいい山があり、ここまで縦走できるが一日がかりの行程になる。
この日は、島までの往復に時間がかかることから文珠堂→文珠山→嘉納山のコースをピストンした。文珠堂は山腹にある小さな寺だが、800年に弘法大師が開いたという歴史を持つ。境内に車を置き、急な石段を登る。ところどころで荒れた急坂になったりするが、基本的に階段状の道が続き、息つく暇がない。しかし、それだけ高度は稼げる。1時間もかからず頂上に着く。
山頂には立派な展望台があり、文字通り360度見渡せる。北方向には本土と島を結ぶ大島大橋、東には岩国から広島湾にかけて、戦時には戦艦の停泊地であった穏やかな海が広がる。南方向には、空気が澄んでいれば松山市街地まで望めるという内海の景色があるが、この日は霞んでいて松山までは見えなかった。そこから右手に、なだらかな陸地のシルエットをとらえることができる。佐田岬に違いない。さらに西方面に目を転じると上関、祝島が確認できるが、その先の九州・国東半島はやはり霞んで見えない。
しばらく眺望を楽しんで瀬戸内海第2の高峰、嘉納山※へと向かう。林間を縫って1時間足らず。ここからも、四方がよく見えた。
終日、穏やかないい天気。帰りは海岸沿いの道を南岩国に向けてゆらゆらと車を走らせた。
※瀬戸内海の最高峰は小豆島・星が城山(817㍍)。
※厳密には「中国山地」ではないのですが、宮島の弥山と同じく便宜上このカテゴリーに入れておきます。
文珠山頂上から本土を望む。正面の山の向こうに大島大橋 |
真正面に松山の市街地が見えるはずだが、この日は見えなかった |
正面に上関、祝島。肉眼ではその向こうに佐田岬が確認できた |
広島湾方面の多島美 |
左に文珠山、右に嵩山。すなわちここは嘉納山 |
こうした階段状の道が全ルート続く |
文珠堂。柱には大同元年(800年)に弘法大師が開いたとある |
文珠山頂上からの展望、素晴らしいです。 とても島の中の山とは思えませんね。
by おど (2011-12-19 22:25)
≫おどさん
書いているように、四国、九州まで見えると最高だったんですけどね…
by asa (2011-12-20 07:46)
雲海か山合いの町並みの景色を見る事が多いので、海に浮かぶ島々を眼下に見下ろす風景というのは新鮮です。
by Umi-Bozu (2011-12-23 23:18)
≫Umi-Bozu さん
島の山も、なかなかいいものです。
by asa (2011-12-25 09:26)