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中国山地幻視行~空中の楼閣・右田ヶ岳 [中国山地幻視行]

中国山地幻視行~空中の楼閣・右田ヶ岳

 こんなところに城を築くのか。いにしえの武士の執念は、計ることができない。この岩稜にそびえ立つ城をぜひ見てみたかった。周囲を睥睨する空中の楼閣であったにちがいない。しかし、それを見たのは鎌倉時代以降、戦国の世の武士と民だけだったようだ。

 山口・防府にある右田ヶ岳に4月17日、登った。花崗岩の山である。標高は426㍍にすぎないが、堂々たる威圧感。小学校のグラウンドから寺の境内を抜ける。ここには源頼朝の墓所があると伝わる。ちなみに頼朝の墓は、全国各地に言い伝えがある。

 まずは前衛峰である石船山を目指す。30分も登れば乗っ越す頂から振り返ってみれば、海へと平野部が広がる。大きな岩には摩崖仏が彫りこまれて、古くからの信仰の山であることが伝わる。眼下に直線状に延びるのは山陽新幹線と山陽自動車道。そこからひとくだりして再び空に向かって稜線をたどる。気温は20度近いにちがいない。日差しが強い。

 頂は二つ。双耳峰である。高いほうを目指す。頂の直下をトラバースして階段状の道をあえぎながら行くと、ふいに青空が広がった。頂上は広い。そして周囲の眺望を遮るものは何もない。山頂を示す標識と、はためく日の丸。遠くで海がきらめく。はるかにかすむのは、九州・国東半島にちがいない。

 
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 だれがこんなところに城をつくろうなどと思いついたのだろうか。手前は右田小の校舎


 
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あちこちに摩崖仏が彫り込まれている

 
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戦国の世ではどんな風景が見えたのだろう。手前は新幹線、向こうが山陽自動車道

 
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石船山から見る右田ヶ岳


 
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頂上は広い

 
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標高に似合わぬ威容




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コメント 5

Jetstream777

立派な山容ですね。 これが416Mの山とはおもえません。
by Jetstream777 (2011-04-19 21:35) 

山子路爺

今晩は。
この山、高速道路から見えませんか?
そして岩ゴツゴツの連なりがありませんか?
一度だけ行った防府で、車から見た景色が思い浮かびました。
by 山子路爺 (2011-04-21 20:41) 

asa

≫Jetstream777さん
なかなか風格のある山です。

≫山子路爺さん
ピンポンです。新幹線からも自動車道からもよく見えます。以前から気になっていた山です。
by asa (2011-04-22 08:12) 

スマイル

こんばんは
お越しいただきありがとうございます。
防府市には、21年前に夫の仕事の関係で、3年間暮らしました。
懐かしく思いだしました。、
しかしこんなにも珍しいtころがあるなんて知りませんでした。
昔の人の底力の発想には、うなってしまいますね☆
by スマイル (2011-04-28 23:27) 

asa

≫スマイルさん
ありがとうございます。
新幹線からもよく見える山で、気になっていたところです。
by asa (2011-04-30 09:51) 

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