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中国山地幻視行~残雪の彼方Ⅱ・恐羅漢山 [中国山地幻視行]

中国山地幻視行~残雪の彼方Ⅱ・恐羅漢山

 もったいないな。薄汚れてしまっているが、たっぷりの雪。しかし誰もいない。なごりの滑降をしたのだろうか、2本ほどシュプールがかすかに残る。静寂。頭上からは春の日が降り注ぐ。

 4月4日、恐羅漢山に登った。1346㍍、広島県の最高峰であり、西中国山地の雄である。スキー場の駐車場に車を入れて驚いた。これほど雪があるとは。車にはワカン、スノーシュー、アイゼンが積んである。この日は迷わずスノーシューを取り出した。本格的に使うのは今季初めてである。かかとが浮く構造のスノーシューは、この斜度で威力を発揮するにちがいない。

 雪の斜面を真っ直ぐ登った。面白いほど高度が稼げる。40分ほどでゲレンデを突き抜ける。林の手前で一息つく。気温9度。風はほとんどない。急斜面をひと登りすると、あとはなだらかなコースが頂上まで続く。できるだけゆっくり歩く。日差しに照らされて、いつまでも歩いていたい気分だ。しかし、山頂は確実に近づいてくる。

 ふもとから1時間半ほど。人の背丈を越す頂上の標識は、かろうじて雪面に顔をのぞかせていた。そのそばで昼飯を食っていると、二人連れが登ってきた。「最高の天気ですね」と声をかけられ「そうですね」と応じる。二人が指差す先、深入山の横にはかすかに三瓶山が見える。はるか遠くを見渡すと、かすかに靄がかかっているのが分かる。もう春なのだ。聞けば夏焼峠から登ったという。二人の足跡をたどって峠回りで下山した。峠の手前で振り返ると恐羅漢がくっきりと見えた。

 帰途は佐伯町回りのコースをとった。毎年見るシダレザクラが気になったからだ。この数日間の陽気に誘われたのだろうか、一気に花を咲かせていた。そばのモモも見事な競演ぶりだった。

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広いゲレンデにシュプールが2本

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ゲレンデ最上部からの眺め

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いつまでも歩いていたい気分

 
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山頂についてしまった

 
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雪のない時はこんな感じ(昨年11月2日)
 
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山頂から南方面を望む

 
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山頂から北方面を望む。正面は深入山。その左にかすかに三瓶山が見える

 
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夏焼峠手前から恐羅漢を望む。左の斜面を登った

 
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午後の陽ざしに映える桃の花

 
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シダレザクラも見ごろ


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コメント 8

おど

葵い空に白い雪が映えてますね。 下に降りると桃や桜の花を見られるとは、贅沢です。
by おど (2011-04-06 20:59) 

よしころん

ヒップソリは、されてませんよね~^^;
by よしころん (2011-04-07 21:26) 

asa

≫おどさん
やっぱり雪山は天気のよい時が最高ですね。サクラの花もタイミングはピッタリでした。

≫よしころんさん
そういえば、前回の深入山ではソリを持って来た人がいました。いままでやってみたことはありませんが、面白いかもしれませんね。
by asa (2011-04-09 07:57) 

Jetstream777

雪景色と帰路の桜、最高の取り合わせです。 
ごちそう様 !(^^)!
by Jetstream777 (2011-04-09 12:08) 

山子路爺

桃も桜も見事ですねぇ。
「出来るだけゆっくり歩く」「……いつまでも……」に気持ちが出ていますねぇ。
いいなぁ。
by 山子路爺 (2011-04-09 14:15) 

asa

≫Jetstream777さん
ありがとうございます。

≫山子路爺 さん
本当に「いつまでも歩きたい」気分でしたね。
by asa (2011-04-09 18:07) 

ken_trekking

しだれ桜も綺麗で良いですね。ソメイヨシノと
若干満開の時期がズレテくれるので片方が
散っても、また楽しむことができるのが嬉しい。
by ken_trekking (2011-04-17 19:10) 

asa

≫ken_trekkingさん
ありがとうございます。
場所によってはソメイヨシノはまだ咲いています。
by asa (2011-04-18 17:50) 

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