中国山地幻視行~堂床山・山名のミラー現象 [中国山地幻視行]
中国山地幻視行~堂床山・山名のミラー現象 |
一つは広島市安佐北区可部町、もう一つは広島県北広島町。山のガイドブックを見ると、いずれも急峻な山とある。「堂床」については国語辞典、地名辞典、民俗学辞典など主だったものをあたったが、いずれも解説したものはなかった。ネットで調べると島根県の石見銀山跡にも同じ名前の山がある。写真で見る限り、ここも「急峻」な山のようだ。同じ「堂床」がある三つの隣接した地域。地図を見ると分かるが、一本の国道でつながっている。かつては石州街道と呼ばれたルート。銀山から瀬戸内海へ、おそらく一つの文化圏があったと思われるが、このことが関係するのか。
さらに言えば、三地域の共通項としてあるのは、中国山地で栄えた「たたら」による製鉄である。砂鉄を集め、ふいごで吹いて良質の鉄をつくる古代の製法。「堂床」とは、急峻な山のかたちを製鉄のある道具に見立てた名前なのかもしれない、と根拠もなく推測する。可部町の堂床山の麓には「鈴張」という地名があり、かつては「錫張」と称したとも言われる。中国山地で金属加工業が盛んだった名残であろう。
民俗学者の宮本常一は「中国山地民俗採訪録」で旧山県郡大朝町(今の北広島町)にふれ、山に住む人たちが「堂人」と呼ばれていたことを紹介する。これが関係あるものなのか。
その堂床山の一つ、可部の山域に12月20日(日)、足を踏み入れた。可部の南原ダム上流、南原峡から西冠山(721㍍)を回り尾根筋を歩いて堂床山(859㍍)に至り、登山口に戻るという周遊コース。通常なら3時間半から4時間と思われる。しかしこの日は数日前からの寒波襲来で山道は積雪に覆われていた。特に堂床山頂上の手前では膝上まで埋まる状態で悪戦苦闘。実質の所要時間は5割増となり、登山口に帰ってきたときはすっかり暗くなっていた。
西冠山も堂床山も、山頂はまったく眺望なし。よほどの山好きでないと訪れることはないだろう。
西冠山の山頂。標識があるだけで眺望はない |
イノシシらしい足跡があるだけ |
下山ルートから見た雪景色 |
2009-12-22 16:15
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すごく積もったのですね。びっくり!
雪の登山道は時間も体力も要しますよね。
捻挫の具合はいかがですか?
しばらくは痛めた足に負担をかけないことが一番です。
どうぞお大事にしてください。
by よしころん (2009-12-22 20:30)
よしころんさん、早速ありがとうございます。
by asa (2009-12-22 21:36)
すごく積もってますね。ここのところ冬型が強まって、日本海側は
ものすごく雪が降っていると聞きます。気をつけてくださいね。
丹沢にも至近に同じ名前の山が結構あります。なんでなんでしょうね?
間違えてしまうのに。三峰山やら権現山やら。
by ken_trekking (2009-12-22 23:45)
ken_trekkingさんありがとうございます。
権現山は全国共通ですね。広島にもあります。
by asa (2009-12-23 07:19)
雪の山並みに陽がさす感じがいいですネ。
by 山子路爺 (2009-12-23 09:20)
山子路爺さん、ありがとうございます。
山子路爺さんの写真のような、ほぼモノクロになってしまいました。
by asa (2009-12-23 09:37)
まさに雪、雪、雪ですね。
雪の山は、歩いたことがないけど、
結構体力消耗すんではないですか?
by kazenotomo (2009-12-30 04:24)
雪の季節はばてばてです。
kazetomoさんの近くの比良山系もいまごろ真っ白なんでしょうね。
by asa (2009-12-30 07:32)
年末年始は、こちらもこんな雪景色になるかも知れないそうです。
今年も大変お世話になりました。(^^)。。
来年もよろしくお願いします。
それではよいお年を!
by 水郷楽人 (2009-12-31 11:22)
明けましておめでとうございます。(^_^)/。。
本年もよろしくお付き合いくださいね。
by 水郷楽人 (2010-01-02 23:02)
明けましておめでとうございます。
名前が同じで近くにある山といえば、八ヶ岳南端と南アルプス鋸岳北西にある「編笠山」が釜無川をはさんで向かい合っています。
標高も2500mくらいです。(チョット距離がある?)
本年もよろしくお願い致します。
by Pちゃん (2010-01-04 16:05)
Pちゃんさん、よろしくお願いします。
by asa (2010-01-04 19:10)