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中国山地幻視行~恐羅漢山・季節が迷子になった日 [中国山地幻視行]

中国山地幻視行~恐羅漢山・季節が迷子になった日


 4月8日、スキー場の駐車場に車を入れると、冷たい風が首筋を撫でた。しかし、気温計は20度を超していた。春の一日の山歩きを、とゲレンデに足を踏み入れた。
 足元の枯れ草に目をやると、ショウジョウバカマであろうか、薄紫の小さな花。数輪咲いていた。森の日陰で咲くものと思っていた。日当たりのいい斜面にも咲くものなのか。
 山頂に着くころ、冷気は一段と厳しくなった。厚く黒い雲が北から南へと、かなりの速さで流れていた。気温計は123度あたり。典型的な、寒気が入り込んだ気候であった。今朝の予報では快晴マークだったが…と悔やんでも遅い。突然の雨もあるかも、と覚悟したが、それはなかった。雲が去れば陽がさす、忙しい天気だった。
 山頂の大岩から遥かな山並をみた。黄砂のせいか、どこも霞んでいた。山頂の木々は新緑には程遠く、冬の装いのままだった。枝ぶりがどれも個性的で、しばらく撮影に興じた。
 下りは夏焼のキビレまで足を延ばした。「キビレ」とは聞かない言葉である。類推すれば「峠」とか「鞍部」を指すようだ。ネットで検索したが、明快な解答は見つからなかった。地方の方言のようであった。
 午後遅く、駐車場に戻るころには日差しが戻っていた。季節が迷子になったような一日だった。


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ゲレンデ上部で一息


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斜面にショウジョウバカマが咲いていた

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山頂から。黄砂のせいか、霞んでいる

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荒涼としたたたずまいを見せる木々Ⅰ

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荒涼としたたたずまいを見せる木々Ⅱ

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こちらはかなりの古木、巨木であるようだ

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山頂の標識

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「夏焼のキビレ」は「夏焼峠」とした標識もある

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ここが「夏焼のキビレ」。恐羅漢山と砥石郷山の鞍部にある分岐。まさしく「峠」

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オフのゲレンデは満開の水仙で覆われていた


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