中国山地幻視行~深入山のショウブ [中国山地幻視行]
中国山地幻視行~深入山のショウブ
山を下り、休憩所でアイスクリームをなめていると「山野草の季節になりましたね」と、店番の女性から声をかけられた。「この山は種類が多いですからね」と答えた。
名も知れぬ小さな花を見に、暑いさなか深入山(1153㍍)に来た。そんな楽しみでもなければ、木陰などない山道を歩く気にはならない。
緑は濃かった。巨木に「南登山道」と刻まれた標識のそばに「熊出没注意 危険」の看板。気温32度。ウツボグサが足元に咲いていた。房状の白い花はオカトラノオであろう。山道の両側にはキキョウも咲くはずだが、早かったようだ。高度を上げると、ササユリとナデシコが目立ち始めた。8合目あたりから頂上にかけてマツムシソウが見られるはずだが、さすがにこれも早かった。あと1カ月待って、もう一度来てみようか。
山頂で飯を食っていると、紫の濃い花が目についた。花弁の中央に黄色の筋。ノハナショウブであろう。先に書いたように、この山には日陰がなく、湿地もない。アヤメ科の花は池のほとりなどに咲く印象がある。こんなところで見るとは、意外だった。草原を探すと、数輪がかたまって咲いていた。
暑さのため、そこそこに山を下りた。林道を迂回するルートを取った。途中のあずまやのあたり、路傍にキキョウを見つけた。キキョウは結局、この一輪だけだった。
2017-07-15 13:54
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コメント(2)
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気持ちの良さそうな稜線ですね。 山頂で見れる花いいです!。
by Jetstream (2017-07-27 11:16)
≫Jetstream さん
ほんとにここは気持ちのいい稜線です
それに、普段は池のほとりなどでみかけるショウブの花に山頂で出会うのも、驚きです
by asa (2017-07-31 11:10)