中国山地幻視行～窓が山は超満員

中国山地幻視行～窓が山は超満員

　さあ、この岩場を越えると山頂。そう思ったとき、「着いたぞー」と子供の声。それも一人ではない。家族連れの先客か。違った。反対方向の登山道から、引きも切らさず登ってくる。遠足らしい。頂上の大岩は満員状態である。
　「どこから来たの？」と聞いてみる。「鞆から」という。福山の鞆であろう。「そりゃ、大変だったねえ」と返す。「で、おじさんは？」。はて、なんのことか。「趣味で登っているの？」「楽しい？」。うーむ。まあ、楽しいから登っているんだけどね。
　子供たちの列をよけて、山頂下にある通称「おんな岩」という大岩に腰を下ろした。ここで飯にしよう。ガスコンロに火をつける。すると、登山道から子供たちの声。「何してるの？」「休んでるの」。「休んでるの？　せっかくのお休みのところ、お邪魔しました」。半分冗談だろうが、なんだか世間ずれした答えが返ってきた。
　そろそろ紅葉、と思ったが、ここはまだ早いようだ。それでも、日が差せば気の早い広葉樹はカラフルな輝きを見せていた。

山頂は子供たちでいっぱい

「おんな岩」から見た紅葉

はるかに広島の市街地を望む

紅葉と魚切ダム

魚切ダムのアップ

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