中国山地幻視行~錦秋の県北 牛曳・伊良谷・毛無を歩く [中国山地幻視行]
中国山地幻視行~錦秋の県北 牛曳・伊良谷・毛無を歩く
季節は秋である。天気予報は快晴、雨量予測ゼロ。これでは、家にこもるわけにいかない。広島県北まで足を伸ばした。しかし、いつもの縦走コース、烏帽子岩・比婆山・池の段は紅葉を愛でるにはもう遅いだろう。そう思い、牛曳から登ることにした。登山口から10分も歩くと、この地方には珍しい白樺林がある。白樺と紅葉のアンサンブルを絵にしようと、早くも数人のカメラマンがいる。いずれも重そうなカメラバッグを肩から下げている。一人に聞いてみた。
「紅葉はどんな具合ですか」
「まだ少し早いようですね。ほら」
指差す先に、青い葉が見える。しかし、これだけ紅葉があれば、タイミングとしては「当たり」としてもよさそうだ。
「で、どちらへ?」
「とりあえず、牛曳へ。毛無までは行こうと思います。その先は未定」
「いや、元気ですね」
そんな声を背に登りを急ぐ。登山道で三脚を構える人もいる。申し訳ないが、前を横切らせてもらう。
登山口から牛曳山頂まで3㌔。登山口は標高700㍍余りのはずだから、山頂(1144㍍)までの標高差は知れている。ただ、水平移動が長い。途中、牛曳の滝を眺める。この滝は、普段はなんてことはないが、紅葉の季節になると景色がいい。存在感がにじみ出す。
やっと着いた山頂は、標識が立つだけで他に何もない。不慣れな登山者はつい通り過ぎてしまいそうだ。とりあえず、ここでひと休み。登山口からここまで1時間余りだ。さて、と隣の伊良谷山(1149㍍)へ。もちろん、5㍍上がればいいわけでなく、いったん谷へ下りて登り返す。といっても20分ほどで着いてしまう。ここも、そっけないほど何もない。ただ山頂を表す標識が立つのみである。そのまま過ぎて、毛無(1144㍍)へ。紅葉が見事な稜線を下って、登って、30分ほどもかかったであろうか。広い草はらに出る。山頂の手前には小さなリンドウが咲いていた。空は雲ひとつない青空。さすがにここは登山客が多い。ちょうど正午を回ったころ、昼飯時である。大休憩とする。
ここから出雲峠に下りて、さらに烏帽子岩を目指すか。しばらく思案したが、やめた。出雲峠から六の原に下りよう。せっかくの紅葉である。下を向いてひたすら歩くより、上を向いて紅葉と黄葉、そして青空を眺めてぷらぷらと帰ろう。(10月29日)
牛曳登山道の途中で |
牛曳登山道の途中で |
牛曳の滝。紅葉の頃は景色がいい |
錦秋の山道。牛曳山頂の手前 |
牛曳山頂には青い空があるだけだった |
右が伊良谷山、左が毛無山 |
伊良谷山頂 |
毛無山頂付近に咲いていたリンドウ |
毛無山頂の標識 |
大山が見えた(中央やや左…写真じゃ見えないか) |
下山途中に見た毛無 |
出雲峠でしばらく考えた |
上を向くと青空に紅葉、いいです!
by Jetstream (2014-10-29 23:39)
≫Jetstreamさん
本当に、こんな青空に出会うことはあまりないので、あくせくしたくないなあ、というのが実感でした。
by asa (2014-10-30 10:56)
紅葉が素晴らしい!
宮島も紅葉しているのかなぁ。
by 山子路爺 (2014-10-31 23:55)
≫山子路爺さん
この日は天気が良くて、いっそう紅葉が映えていました。
宮島の紅葉は、この地方では最も遅く例年だと11月半ばです。ただ、今年は全体的に早目なので要注意と思っています(登山+紅葉狩りを考えています)
by asa (2014-11-01 08:44)
こんばんわ。
昨年、牛曳山の登山口付近、道路沿いの紅葉が凄くきれいだったのを、思い出しました。
比婆山山系はルートも豊富で楽しい山歩きができますよね。
by 横浜五郎 (2014-11-12 21:51)
≫横浜五郎さん
こんにちは。比婆山系は、バリエーションが多くて四季楽しめますね。私も、季節が変わるごとに山行を考えます。特に秋はいいです。
by asa (2014-11-14 16:53)