北アルプス幻視行~鹿島槍へ<上> [北アルプス幻視行]
北アルプス幻視行~鹿島槍へ<上>
窓の外に響く雨音で何度も目が覚めた。波のように遠ざかっては近づく。台風16号が列島に接近していた。幸い直撃は避けられそうだが、気圧の谷が日本海沖に前線を形成している。おかげでこの地域の天候はまだら模様だ。あすはどうなるか、まったく予想がつかない。
9月15日、信濃大町から扇沢に入った。柏原新道を登り、種池に宿を求めた。大町は晴れていたが、高度を上げるにつれガスが濃くなった。山荘に着くころには、周囲は雨にけぶっていた。心も足も重くなっていった。
そして、種池から爺ケ岳を越えて鹿島槍へと縦走をかける16日。空は見事に晴れ上がっていた。ところどころに、さっと刷毛でなでたような薄い雲。鳴沢岳から針の木岳への縦走路は、上がりきらぬ太陽に赤く染められていた。
朝焼けの針の木岳(中央左) |
爺ケ岳南峰から剣岳を望む |
2012-09-20 19:16
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コメント(3)
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晴れて良かったですね。 澄み切った青空のもと、どこまでも歩きたくなってきます。
by おど (2012-09-20 21:19)
天気が回復してよかったですね。
朝焼けの景色、最高です。
by ken_trekking (2012-09-21 07:45)
≫おど さん
晴れてよかったです。でも、もうおどさんのように「どこまでも歩」くのは無理で、もっぱら稜線漫歩です。
≫ken_trekkingさん
朝一番起き出して、針の木を見上げて「やった!」と思いました。
by asa (2012-09-22 09:03)