旅におぼれて~スペイン断章Ⅱバルセロナ・聖と俗のはざま [旅におぼれて]
旅におぼれて~スペイン断章Ⅱ
バルセロナ・聖と俗のはざま
入口付近。人ごみにまぎれて写真を撮り損ねたが、面白いものを見た。上から宙づりにされ、逆さになった立体模型である。
バルセロナで聖家族教会を見に行った。アントニオ・ガウディ原案によるサグラダ・ファミリア。「原案による」と書いたのは、ガウディなき今も建築が進むこの建物の、確固とした設計図がないためである。「こんなもんだろう」ということで、工事は行われているらしい。
なぜ、立体模型が興味深かったか。この、デザインコンセプトのよく分からない建物の根本思想は「反重力」にあるのではないか。宙づり、逆さの模型は、それを暗示しているように思えたのだ。
「聖家族」とはもちろんキリストにまつわる人たちのこと。それぞれが「栄光の塔」として象徴されている。もう130年も工事しているが、建ったのは18本のうち8本。厄介なのは、キリストや聖母マリアの塔が後回しになっていること。日本人ならたぶん、難しいほうから手をつけるだろうが、この国では逆らしい。ということは、今建っている塔より、もっと高い塔を建てなければならないことになる。
どう考えても、この外観は奇をてらった遊園地のようで、あまり好きにはなれない。しかし、内部の天井はなかなか面白い。なんだか人間の細胞を拡大したかのようなデザインだ。ともあれ、この塔は近年、スペインでもっとも観光客を集めるスポットなのだ。2010年に教皇ベネディクト16世がミサをして「権威付け」がなされたが、やっぱりそれでも俗っぽい。
帰りがけに通ったバルセロナの小路の方がよほど味わい深い雰囲気を醸していた。
【注】18本の内訳は、キリスト、聖母マリア、12使徒と4人の福音記者。
お早うございます。お久しぶりです。
スペインへ行かれてましたか〜 何もかもがアートですね〜(^ニ^)
by yakko (2012-03-31 08:55)
≫yakkoさま
アートの国ですねえ。私のような「謹厳実直」?にはとても楽しいところです。
by asa (2012-03-31 11:13)
難しいことは後回しにして技術の進歩を待つ、といったところでしょうか(笑)
雨に濡れる石畳、良いですね。
by Umi-Bozu (2012-03-31 21:27)
≫Umi-Bozuさん
やぱりアスタマニャーナの国?と思いました。
by asa (2012-03-31 22:30)
バルセロナは仕事で20回以上行きました。 懐かしく拝見。
写真の裏路地、こんなところを通ったような記憶があります。
素敵な旅ですね。
by Jetstream777 (2012-04-02 23:19)
≫Jetstream777さん
20回も行くと、スペイン語はペラペラでは。
by asa (2012-04-04 01:33)