中国山地幻視行~紅葉最終章・寂地山 [中国山地幻視行]
中国山地幻視行~紅葉最終章・寂地山
この秋にしては珍しく寒気が下りて来た。気温はおそらく10度を切っている。
11月15日、最後の紅葉を見に、山口県の寂地山(1337㍍)に向かった。考えてみれば、この山に登る季節は限られている。4月末から5月初めにかけて。頂上のすぐ下にカタクリの群生地があるためだ。花の盛期には登るが、秋に登った記憶があまりない。ああ、そうだ。何年か前に広島県側、松の木峠から登ったことがあった。あのときも、紅葉の季節だった。
今回は山口県側、寂地峡から頂上を目指した。林道を車で駆け上がり、犬戻しの滝の遊歩道入口から入る。しばらくアップダウンを繰り返し、元の林道に再び飛び出る。いっそ車でフルコース走れればいいのだが、崖崩れの頻発する道である。途中から通行止めになっている。本格的な登山道まで約40分。
山道に入ると、急登が待っている。息を弾ませていると、後ろから登山者が一人。あっという間に追い越していった。斜面を登り切ると、杉の巨木が並ぶ。頭上でごおっと風が舞っている。耳を澄ますと、遠くでぎいっと鳴る。けだものか鳥の声にも聞こえるが、巨木の枝が風を受けてすり合う音であろう。5分ほど立ち止まって再び歩きはじめる。
遊歩道入口から約100分で頂上だ。春先ならカタクリの花が群れて咲く一帯は、落葉した木々に囲まれてさびしい。そしてこの山の頂上は、眺望がまったくない。風に吹かれてしばらくいた後、下山した。先ほどの登山者はどこだろう。さらに縦走を重ねているのか。
下りながら、午後の陽射しの中で写真を撮った。今年最後の紅葉であろう。冬の足音が近づいている。
2011-11-17 09:41
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コメント(6)
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もう本格的な冬が目前ですね。関東も来週から
ぐっと冷え込むと言われています。紅葉はこれからは
街中に移ってきますね。
by ken_trekking (2011-11-18 07:56)
もう晩秋ですね。 登山道は、一面の葉っぱの絨毯ですよね。
by おど (2011-11-18 21:46)
≫ken_trekkingさん
そうですね。気候的には、山を歩くには一番いい季節かもしれませんね。
≫おどさん
葉っぱのじゅうたんの写真を撮るのを忘れてました。
by asa (2011-11-19 08:07)
そろそろ奥多摩あたりも“落ち葉ラッセル”ができる時期になりました。雨が降って落ち葉が湿る前は、落ち葉のいい匂いがします。
by Umi-Bozu (2011-11-19 12:44)
尾根の色がきれいですね。
当方は最近何処にも出かけられません。
by 山子路爺 (2011-11-19 23:09)
≫Umi-Bozuさん
本物のラッセルができる季節も近いです。
≫山子路爺さん
さんざん、あちこちで遊んでおられるのだから、たまには…。
by asa (2011-11-21 14:44)