中国山地幻視行～吉和冠・秋模様：風と歩く：SSブログ

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中国山地幻視行～吉和冠・秋模様　[中国山地幻視行] [編集]

中国山地幻視行～吉和冠・秋模様

　今年の秋は、あちこちの山で紅葉を眺めた。林間で奏でられるシンフォニーを聞きながら、山道をさまよった。しかし、例年訪れる吉和冠がことしは漏れてしまった。先週行く予定だったが、事情があって隣の寂地山の紅葉を眺めた。
　やはり、し残した宿題はやらねばならない、といった小学生のごとき義務感のようなものを心に張り付けて10月31日、潮原温泉側の登山口から吉和冠に向かった。
　里は今から紅葉の季節に入るが、この山の秋は終りに近づいていた。ちょうど盛りの頃を見逃してしまった、という悔恨に似たものを胃の中におさめて、沢伝いの道を歩いた。登山口あたりはこれから、という風情も残っていたが、山頂付近はもう冬枯れが始まっていた。ところどころでモミジの赤が木漏れ日に映えてはいるが、葉を落とした木々は寒そうなたたずまいを始めていた。
　午後になって頂上から下った。青い空の下で風の音が舞っていた。

　登山口（100分）吉和冠山（30分）クルソン岩（60分）登山口

　★歩行時間には写真の撮影時間が含まれています。