中国山地幻視行~ありえない光景・吉和冠 [中国山地幻視行]
中国山地幻視行~ありえない光景・吉和冠
鉄橋を渡って30分ほど登ったころ。
??????
頭の整理がつかない。目の前の光景と、山の風景とが、どうしても一致しない。コンクリートの直線的な造形物と、白いガードレールがそこにあった。
ほろ酔いで、いい気分になりかけたころ、明日までに仕上げなければならない仕事を思い出してしまった気分、と似ているだろうか。いやいや、もっと興ざめな光景。このあたりに林道ができかかっていることは承知していた。しかし、実際に目の前に現れてみると、心は大いに動揺する。
沢音を聞きながら緩い登りを登り切ると、木橋が現れる。渡って急登にかかる。写真で見ても分かる通り、路傍の石は苔むして、山深しを思わせる。そこに、このコンクリートである。絶妙のタイミング!
しかし、気をとり直して林道横につけられた階段を上る。道路を横切る。「横断歩道もつけてよね」と皮肉の一つもいいたくなる。それでも辛抱して30分ほど登れば、なんとか山歩きの気分に浸れる(何と安上がりの精神構造!)。幸いにも、コンクリートの構築物は、あの1カ所だけのようだ(当たり前だろう…)。
興ざめの光景のせいかどうかは知らないが、山頂までのピストンで出会った登山客はゼロだった。「閑(しず)かな山行」だけが、きょうの収穫であった。おっと、山の名前を書くのを忘れていた。吉和冠(1339㍍)である。
へっ なにこの看板 |
目前にコンクリート堤が… |
階段を登り切ったところ |
こんな看板があちこちに… |
気を取り直して山道を行く |
ここまでくれば山歩きの気分に浸れる |
山頂。青いままの落葉が多いのは台風の余波か |
紅葉にはまだ早い |
2014-10-07 19:23
nice!(5)
コメント(4)
トラックバック(0)
先日行った山道も、途中まで林道が新しくできていて、興ざめでした。 とは言え、距離が長いので、林道終点まで車で入れれば、距離の短いコースとして賑わいそうですが。 何れにしてもあまり嬉しくはないですね・・・。
by おど (2014-10-07 20:44)
何の為の工事でしょうか。はたしてこの工事の費用対効果は。
林道を作ってみたが使う人無し……数年後あるいは十数年後に廃道となる運命だったりして。私たちハイカーには邪魔な事ですが、オフロードバイクや四駆車でカットブ事が出来るならそれでも価値が……たぶん車両通行止めの看板がで〜ンと設置されそう。
by 山子路爺 (2014-10-07 23:57)
≫おどさん
たぶん、将来はこの林道と登山道の交わる地点が新しい登山道になるんでしょうね…
うーむ、文明とは何か、考えてしまう。便利ならいい、と思えば山歩きなどはその対極にあるとも思えます。
≫山子路爺 さん
たしかに、何のための道なのかを私たちは知らされていないように思います。みんなが納得する形ならまだいいんですけど。
以前、この山の近くで鉢巻き状に林道ができ、山に登る人はいなくなり、登山道が荒れ果てたのを見ているだけに、むなしくも悲しい思いがします。
by asa (2014-10-08 09:36)
コンクリートの堤は興ざめですね。 オートバイの爆音を山中で聞くのは不快です。 登山道と林道がクロスするようなことは止めてほしい
、どこかで仕切ってほしいです。
by Jetstream (2014-10-08 15:31)