中国山地幻視行~思いがけず雪だ・窓が山 [中国山地幻視行]
中国山地幻視行~思いがけず雪だ・窓が山
この山の、二つあるピークのうち西峰(711㍍)の頂上に出るには、大きな岩の溝条になった通り道をたどらねばならない。そこを抜けてぬっと顔を出すと「あらっ」という大きな声が聞こえた。頂には先客がいた。5、6人のグループで、着いたばかりのようだった。話しぶりからすると東峰から来たらしい。食事の準備に入っていた。「どちらから?魚切ダムから?」「ええ…いや、魚切じゃなくて」「ああ、運動公園の方ね」「そうです」
この2、3日、中国山地には雪が降った。当初はもっと奥に入る心づもりだったが、シーズン初めでもあり、小手調べのつもりでこの山に来た。山とはいっても海にも人間の居住区域にも近く、さしたる雪もないだろうと思っていた。しかし、登山口あたりから、思わぬ残雪に出会い、少しびっくりした。
7合目あたりから本格的な雪道になった。頂上に近づくにつれ、雪をかぶった岩場が現れる。そして、先ほどの光景となる。湯を沸かすため、ガソリンコンロをとりだす。春の残雪期以来だ。昔のガスコンロは、雪原でまるで役に立たなかった。最近は随分改良されたらしいが、苦い体験が忘れられなくて、いまだにこの季節はガソリンコンロである。圧をかけて少し噴出させて火を付ける。あったまってくると炎が青くなる。OKだ。バルブを緩め、火を大きくする。騒音が高くなる。湯はあっという間に沸く。
そのうち、隣のグループは下りの準備にかかった。「アイゼンはいるかしら?」「いらないでしょう」と言いかけてのみこんだ。なぜか、要らぬお世話のような気がした。遥か下に見える広島湾は、垂れこめた雲の切れ目から差す日差しでほのかに輝いていた。
頂上直下の岩場。中央上部に短いロープがある |
「山頂まで50㍍」の標識 |
厚い雲の向こう、海はほのかに輝いていた |
思わぬ(適度な)雪景色もいいもんですね。!(^^)!
最近のガスボンベは低温用もあるようですね。
by Jetstream777 (2013-12-27 00:04)
ジェネレーターが詰まって使えないコールマンを、未だに処分できないまま所有しています。最近ではもっぱらガスの便利さに慣れきってしまいました。あの音と炎の美しさ……sasさんのブログを読んで、治そうかななどと思ったりして。
今年一年お付き合い頂きましてありがとう御座いました。
来年も元気で山に入りたいと思いますので、宜しくお願いいたします。
それでは来る年が良き年でありますように。
by 山子路爺 (2013-12-29 14:19)
≫Jetstream777さん
そうです。適度な雪景色はいいものですね。
≫山子路爺さん
なんといいますか、あの音のやかましさが、いいんですね。最近のガスコンロは雪山でも通用すると思いつつ、この季節になるとガソリンコンロを引っ張り出すのです。
Jetstream777さん、山子路爺さん、今年もブログを拝見、楽しませていただきました。そしてこのブログを見てくださった皆さんも、どうぞよいお年を。
by asa (2013-12-29 16:15)