中国山地幻視行~深入山・冬から春へ [中国山地幻視行]
中国山地幻視行~深入山・冬から春へ
前日、麓の施設へ電話した。
「雪はまだありますか」
「あっ、雪ですか。ほとんどなくなりました」
「いつもより早めですね」
「この2、3日ですよ。好天続きで急に」
「上の方は…?」
「登ってないので、分かりません」
そんな事前情報をもとに3月16日、深入山(広島県安芸太田町、1153㍍)に登った。念のためアイゼンは持った。
駐車場に車を入れる。隣接の休憩所は硝子戸の前面にベニヤ板を張ったまま、営業はまだのようだった。
南登山口から見上げたヤマは春の様相だった。点在する小さな雪原が冬の名残りを思わせた。少し登ると、北から強い風。仰いだ空は雲一つなく、出がけにチェックした予報の「快晴」マークそのものだった。振り返れば県の最高峰、恐羅漢山が望めた。雪の残るゲレンデが帯のように伸びていた。
突然現れた小さな雪原を越えて山頂を踏んだ。
下山にかかり、北側の林道コースに足を踏み入れると予想外に深い雪だった。膝下あたりまで埋まる。春の腐った雪で歩きづらい。アイゼンは役に立ちそうになく、カンジキを持ってくればよかったと後悔するが遅かった。だが、そんな雪道も10分ほど下ると嘘のように消えた。
冬から春へ。季節の移ろいを実感した山行だった。
「雪はまだありますか」
「あっ、雪ですか。ほとんどなくなりました」
「いつもより早めですね」
「この2、3日ですよ。好天続きで急に」
「上の方は…?」
「登ってないので、分かりません」
そんな事前情報をもとに3月16日、深入山(広島県安芸太田町、1153㍍)に登った。念のためアイゼンは持った。
駐車場に車を入れる。隣接の休憩所は硝子戸の前面にベニヤ板を張ったまま、営業はまだのようだった。
南登山口から見上げたヤマは春の様相だった。点在する小さな雪原が冬の名残りを思わせた。少し登ると、北から強い風。仰いだ空は雲一つなく、出がけにチェックした予報の「快晴」マークそのものだった。振り返れば県の最高峰、恐羅漢山が望めた。雪の残るゲレンデが帯のように伸びていた。
突然現れた小さな雪原を越えて山頂を踏んだ。
下山にかかり、北側の林道コースに足を踏み入れると予想外に深い雪だった。膝下あたりまで埋まる。春の腐った雪で歩きづらい。アイゼンは役に立ちそうになく、カンジキを持ってくればよかったと後悔するが遅かった。だが、そんな雪道も10分ほど下ると嘘のように消えた。
冬から春へ。季節の移ろいを実感した山行だった。