中国山地幻視行~窓が山・思わぬ残雪 [中国山地幻視行]
中国山地幻視行~窓が山・思わぬ残雪
2月25日、広島市近郊の窓が山(711㍍)に登った。山道は残雪に覆われていた。予報はこの日、久々の二ケタ気温を告げていた。そのため、雪上を歩くことはまったく予想しなかった。むろん、アイゼンも携行していなかった。
7合目まで登ると、雪は一段と深くなった。頂上近くまで来ると、雪のついた岩場は慎重な歩行が必要だった。なんとか西峰の頂に着き、おんな岩(この命名には多少抵抗があるが)でランチとした。日の当たる岩に雪はなく、見上げた空に雲はなかった。海岸線の明るい風景が、眼下に広がっていた。
この山は山頂部に巨大なキレットを持ち、したがってピークが二つある。西峰から東峰へと向かった。雪の積もった急な下りは、さらなる慎重さが求められた。アイゼンがあれば時間短縮になったが、後悔先に立たず、である。
東峰は広い山頂を持つ(標高は西峰の方が高い)。暖かい日差しを受け寝転がっていたかったが、あの陰鬱なキレットの底を登り返さなければならないかと思うと、のんびりしてはいられなかった。
登山口の案内板がシンプルになっていた
7合目まで登ると、雪は深くなった
山頂下の岩場も雪がついていた
中国山地幻視行~大峰山・山頂には大きな看板が [中国山地幻視行]
中国山地幻視行~大峰山・山頂には大きな看板が
広島市内から一番近い1000㍍峰、廿日市の大峰山(1050㍍)に2月11日、登った。世間は3連休の初日、登山客が多かろうと敬遠したかったのだが、めぐりあわせでこの日になった。
午前9時過ぎ、駐車場に車を置いた。予想通り数台の先行車がいた。身支度を整え、登山道に取り付いた。迷った末、アイゼンをザックに忍ばせた。単独峰で急登が続くこの山は、山頂近くの稜線で思わぬ雪に出会うことがある。
予想通り、杉林が切れるころに階段状の道は雪交じりになった。ところどころ凍りつき、油断がならない。山頂近く、道が水平に変わったころ、両側は真っ白な雪で覆われた。しかし、アイゼンを使うほどではなかった。
山頂の大岩を登ると、立派な書体で書かれた「大峯山山頂」の大きな看板が置いてあった。これまでなかったものだ。近くで数人が周囲の景色を楽しんでいたが北風が強く、そこそこに岩を下りて八畳岩で昼食をとるようだった。こちらも四方を眺めた後、やはり風の冷たさに耐えられず、八畳岩に移動した。その後も、数人が登ってきたが、予想したほどの数ではなかった。昼近くなると、風の冷たさが消えた。春近し、を思わせた。