中国山地幻視行~深入山・秋の気配 [中国山地幻視行]
中国山地幻視行~深入山・秋の気配
8月14日、深入山(1153㍍)。午前9時というのに気温計はとっくに30度を超していた。駐車場には意外にも何台かの車。盆休み、近くで暑い一日をやり過ごそうという人々らしい。
むっとする熱気の中、南登山口から登り始めた。路傍に小さな赤い花。ママコナのようだ。飯子菜と書く。赤い花弁の中に見える白いものが米粒に似ていることからと聞く。しばらく登るとキキョウがにぎやかに咲いていた。秋の花の印象が強いが、どうやら今が開花期のようだ。とはいえ、暑さでいえば今は夏の盛りだが、暦の上ではもう立秋を過ぎた。キキョウが咲いて不思議はないか。
尾根を登り切ると風が強くなった。キキョウの花を撮ろうとすると風がなぎ倒していく。絞りを開き気味に至近から狙うがピントが合わない。随分手間取った。脇を家族連れが追い抜いていった。
見上げる空はスコーンと青く広がっていた。いつもなら気持ちがいいのだが、今日に限っては恨めしい限りだ。剥き出しの太陽が首筋をじりじりと焼く。暑さに耐えて山頂まであとひと踏ん張り、という地点まで来るとナデシコが現れた。山頂には数人のグループ。いつになく混んでいた。相変わらず風が強かった。
山頂広場の草むらに立派なクルマユリが2輪。そばで三脚を立てて狙う人がいた。一言断って、こちらもカメラに収めた。四方を見渡す。南に目をやると、はるか遠くに稜線の高みらしきものが望めた。広島県内では、南にここより高い山はない。四国山地であろう。西中国山地のど真ん中から瀬戸内海を隔てて四国が見える。わけもなくうれしくなった。山頂直下、ナデシコに混じってマツムシソウ。しかし2輪か3輪である。時期が早いらしい。
下山後、案内所で確かめたところ、条件が良ければ深入山から石鎚など四国山地は見えるのだそうだ。強い風が幸いしたのだろう。
山の桔梗、いいでやすね。
薄紫色がとても涼しげでやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2020-08-17 13:28)
≫ぼんぼちぼちぼちさん
まことに。キキョウは秋を予感させます。
by asa (2020-08-18 15:27)