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中国山地幻視行~三倉岳・空は秋のような [中国山地幻視行]

中国山地幻視行~三倉岳・空は秋のような

 

 211日。予報では、この日を最後に当分雨模様の日が続くという。それでは、と重い腰を上げて向かったのは三倉岳。気になることがあった。人づてに聞いたところ、中岳から夕陽岳のコースは通れるという。いつか確かめなければと思っていた。もちろん危険と判断すれば引き返す、あくまで自己責任、という前提である。もし通れたら、2018年夏には「通行禁止」の張り紙があり、その前が同年5月だから年9カ月ぶりの三倉岳周回となる。

 幸い天気は良かった。気温は15度前後。やや風が冷たい。朝日岳と中岳の鞍部まで順調に登り切り、中岳手前の鎖場に入った。懐かしい手触りだ。中岳の大岩から周囲を見渡す。つい最近登った大峰山がくっきり見える。北西の方向、吉和冠は山肌が白い。多少の雪があるのだろうか。

 中岳から夕陽岳への長い鎖場に入った。多少、地形が変わっている。豪雨禍で岩が崩壊したのだろう。溝(ルンゼ)上部の長い鎖では、依然あった足がかりがなくなっていた。そのため、ほぼ鎖に頼るしかなかった。全体的に前より難度が増しているが、通れないというほどではなかった。ただ、周囲の岩の崩壊の危険度が素人目には分からない。この日も、写真を撮るなどはせず、できるだけ早く通過することを心掛けた。中岳までで出会った人たちも、大半は途中で引き返すことはせず、鎖場を経て夕陽岳に向かったようだった。

 中岳の頂付近にある大岩に陣取って眺めた空は刷毛ではいたような雲が漂い、秋の空のようであった。前回の大峰山でガソリンコンロのことを書いたが、うかつにも写真を撮り忘れた。そこで中岳の大岩の上でコンロの写真を撮ったのだが、この後惨事が起きた。燃料ボトルの栓が行方不明になったのだ。写真映えを気にして、つい大岩の端っこでコンロを使ったため、そばに置いた栓が落下したらしい。ボトルは空気圧縮用のポンプをつけたまま、ゴミ収容のためのナイロン袋に入れ持ち帰った。

 中岳から夕陽岳のコースは、実態として多くの人が通過している。危険度も、それほどあるとは思えなかった(あくまで素人判断であるが)。やみくもに「通行禁止」にするのではなく、もう少し適切な手当てができないものか。麓のキャンプ場や駐車場では施設の整備が進んでいる。稜線の周回がままならないとあっては画竜点睛を欠くというものだ。

 

 

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中岳手前の鎖場。久々の感触

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中岳から見た夕陽岳

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吉和冠

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中岳から栗谷の集落を見下ろす

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こちらは夕陽岳から

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見上げた空は秋の空のよう

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5合目あたりの大岩から

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麓に降り立ち振り返る

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ガソリンコンロ。この後、ボトルの栓をなくした

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駐車場には、こんな立派な人口登攀壁

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