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中国山地幻視行~宮島・弥山 冬の日の落ちるのは早い [中国山地幻視行]

中国山地幻視行~宮島・弥山 冬の日の落ちるのは早い

 

 ひとしきり広島湾を見渡して展望台の階段を下りていると、声をかけられた。顔を上げると、会社で働いていたころの同僚であり、退職後も山に同行させてもらっているUさんだった。そばには同行者らしき男性が一人。年初めの登り初めはここ宮島の弥山(530㍍)と決めている。Uさんも同じ心境らしかった。展望台でしばらく話した後、山を下った。

 1月9日。この日は快晴とはいかず、広島湾は鈍く光っているのみだった。時折、上空を飛ぶ岩国基地の戦闘機の爆音が煩わしかった。離陸した米軍機はいったん広島湾に出て大きく左旋回し、中国山地を越えていく。先には朝鮮半島がある。その際の通り道が弥山になるのだ。この日は特に多かったようだ。米朝関係の緊張度が増せば、訓練も増えるのだろうか。

 大聖院から登り、下った。ほとんどが石段で、登りはきつい。念のためいえば、稼がなければならない標高差は山の高さと一致する。つまり、スタートは海抜ゼロ㍍地点である。が、下りは快適だ。午後の下りで出会ったのはほとんどが外国人だった。そういうご時世らしい。大聖院そばまで下りると、枯れ枝の赤い実が気になった。冬の日の落ちるのは早いもので、わずかな温かみを帯びた陽光が、その実を照らしていた。鐘が一つ鳴った。わびしさを感じさせた。

 

 

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一見、高層建築か何かの現場のようだが、大鳥居補修作業のための覆い

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午前の厳島神社。観光客が記念撮影に興じていた

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仁王門。写真を撮っていると、男性が足早に追い越していった

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山頂から

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厳島の戦の最後の合戦場、駒が林。立てこもるには格好の場

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弥山の山頂。集う人たちを樹上のカラスが1羽見守っていた

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山頂の直下にある水掛地蔵

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宮島と本土を結ぶ航路は15分ほど

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赤い実に陽があたる

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ひと気のない参道に、午後の影が長く伸びていた

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山子路爺

今度は岡山から足を伸ばしてみようと思ったりしてます。
by 山子路爺 (2020-01-17 22:23) 

asa

≫山子路爺さん
新幹線だと岡山―広島は1時間足らずですが、青春18切符だと…?
低山ばかりですが、広島にもぜひ。
by asa (2020-01-18 14:51) 

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