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中国山地幻視行~寂地山・そぼ降る雨に打たれて [中国山地幻視行]

中国山地幻視行~寂地山・そぼ降る雨に打たれて

 

 たどり着いたそこは、思い描いた光景とは全く違っていた。冷雨に煙り、樹間を抜ける風は強かった。気温計は10度あたりを指していたが、体感は5度を下回ると思われた。

 草原に目をやると、目当てのものはあった。しかし、そぼ降る雨にうなだれるように花弁は閉じたままだった。

 朝が遅かったため、とっくに昼を過ぎている。がっかりすると同時に空腹感がやってきた。雨をよけるものは何もない。ザックから握り飯を取り出し、ほおばった。黄色のレインウエアを着た男性が、そばをすり抜けていった。

 4月26日、山口県の最高峰、広島との県境近くにある寂地山(1337㍍)。カタクリの花を見にいったが、目算は外れた。レインウエアを通した冷たい雨の感触だけが記憶に残った。すぐに下山にかかった。皮肉なもので、中腹まで下ると薄日が差し始めた。あのカタクリは、花開いただろうか。気になったが、戻って確かめるほどの気力はもうなかった。路傍にネコノメソウが咲いていた。

 

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冷たい雨と尾根を渡る風で、凍えるような寒さだった

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カタクリの花も震えているようだった。これは状態のいい方

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オオカメノキだろうか。それにしては葉のかたちが違う。冷雨のため閉じているのだろうか

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ネコノメソウ

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ネコノメソウの群落

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新緑の尾根筋。寂地山の頂上はこの奥にある

 


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