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新緑の掛頭・臥龍を歩く~中国山地幻視行 [中国山地幻視行]

新緑の掛頭・臥龍を歩く~中国山地幻視行

 

 掛頭山(1126㍍)から臥龍山(1223㍍)へ向かう途中の小ピーク(1123㍍)を過ぎたあたりで、折れて朽ちた巨木を見た。ミズナラとブナの古木が新緑を競う中で、それは極めて異質に見えた。夏へ向かう周囲とは違った時間の流れが漂っているようだった。遥かな深い物語を見るものに投げかけているようでもあった。

 

 6月21日、梅雨の晴れ間に掛頭山から臥龍山を縦走した。広島県北広島町八幡の二川キャンプ場に車を置き、舗装道を土草峠まで歩く。よくよく見ないと見落としそうな小さな標識を手掛かりに林間の山道へと入る。眺望のない中を小一時間辛抱すると、アンテナらしきものが立つ広場に飛び出す。そこから立派な舗装道をしばらく下ると、スキーリフトが現れる。その辺りで右手のブッシュを探すと、掛頭山頂への道がみつかる。

 眺望のない掛頭山頂では、木製の標識が忘れられたようにたたずんでいた。辛うじて読める「臥龍山」の文字を手掛かりに細い山道をたどる。その山道を断ち切るように舗装道が交差していた。どちらへ進むか。しばらく考え、広い舗装道を選択した。ぶらぶらと20分ほど下ると、左手に「掛頭山」「臥龍山」と書いた標識。二つの山の鞍部を表している。再び、林間の道を行く。山道にしては幅があり、落葉が降り積もって歩きやすい。

 鞍部から1時間余りで臥龍山の頂に出た。巨岩を囲んで新緑が繁り、頭上には雲一つない青空が広がる。夏の空だ。しかし、気温は20度を少し上回る程度。稜線を渡る風が心地いい。頂から八幡高原まで一気に下る。振り返ると臥龍の山頂が夏山の趣でたたずんでいた。

 

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何を語るか、折れて朽ちた巨木

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Vの字型のミズナラ

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忘れ去られたような、掛頭山頂の標識

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臥龍山頂の頭上に広がる空

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下山後、振り返った臥龍山

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掛頭と臥龍の鞍部に立つ標識。「刈尾山」は臥龍の旧名。「かりょうさん」が「がりょうさん」になったという

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ハンゲショウ。半夏生、または半化粧と書く。半化粧は「おしろい」からの連想であろう

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カキツバタ

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コウホネ

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トキソウ

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コメント 2

Jetstream

花が楽しめますね。もう夏山の感じ、連日暑い日が続きます。
by Jetstream (2018-06-29 11:59) 

asa

≫Jetstream さん
関東は梅雨明けしたことですし、もう夏の山ですね
遠征計画を立てねば…
by asa (2018-06-29 14:01) 

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