中国山地幻視行～美は乱調にあり・佛通寺の紅葉

中国山地幻視行～美は乱調にあり・佛通寺の紅葉

 

　11月15日、三原の佛通寺を訪れた。

　見たところ、紅葉はピーク過ぎて枯れ始めと思った。その印象を若い僧侶にぶつけてみた。僧は、私の言葉を肯定しなかった。「紅葉は木によって時期が違います。よく見ればまだ緑のものもあります。既に盛りを過ぎているというのは、適当ではありません」。こんな答えだった。そうか、紅葉は桜とは違うのだ。桜は一斉に咲き、一斉に散る。そこに美学を感じる人もいる。しかし、紅葉はそうはならない。それぞれの木が葉を紅く染め、それぞれに枯れ、散っていく。そこに美学がある。乱調の美学である。

　平日というのに、寺の周辺は人であふれていた。紅葉の見ごろということだろう。しかし、「見ごろ」とは何だろう。ヒト社会の時の流れと自然界の時の流れ。先の僧の投げかけた言葉によって、考えなくてもいいことを考えてしまった。

タグ：紅葉 佛通寺 秋

コメント 2

仰る通り、紅葉はさまざまで場所、種類等々で見頃が違って桜とは別の楽しみ方がありますね。!(^^)!
by Jetstream (2017-11-19 17:27) 

≫Jetstream さん
紅葉の微妙な色合いの違い、そこがいいところですね
by asa (2017-11-19 23:19)