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中国山地幻視行~比婆連山・ササユリとイワカガミ [中国山地幻視行]

中国山地幻視行~比婆連山・ササユリとイワカガミ

 

 先日、地図を見る機会があり、比婆連山あたりをじっくり眺めた。比婆山の向かいにある吾妻山、それに連なる烏帽子山、毛無山は広島、島根県境にある。というより、山々が古代から国境(くにざかい)を形成してきたといったほうが正確かもしれない。これらを越えると奥出雲町に入る。日本海側から見ての「奥」であるから、広島側から見れば出雲の入り口にあたる。

 毛無山と烏帽子山の鞍部に出雲峠がある。気にかけていなかったが出雲峠とは、ここを越えれば出雲に入るという古人の思いが込められていたのではないか。地図を見て思った。

 6月18日、出雲峠から烏帽子山に入り、比婆山を越えて池の段へ向かった。昨年秋以来である。その前は6月。思いもかけず多くのササユリの咲き誇る姿を見た。今年も見られるのでは、と思いつつ向かった。

 その場所は池の段からの長い下りの途中にある。昨年のような光景はなく、わずかに一輪が楚とした姿を見せたのみだった。昨年は6月末だった。少し早かったのだろうか。その代わり予想しなかったものが見られた。イワカガミである。比婆連山を縦走する中で、複数の個所で淡いピンクの花弁を目にした。といっても今の時期である。くたびれた表情は隠しようもなかった。

 古事記にも登場する神話の地、比婆山には古いイチイの木がある。比婆御陵の入り口に立ち門栂と呼ばれるが、近年衰退が激しい。目にした姿は、下半分が枯れ果て余命いくばくもないと思えた。この古木もいつか倒れる日が来るのだろうか。

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「出雲峠」への標識

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比婆山山頂に「比婆御陵」がある

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枯れ行くイチイの古木

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池の段まで来ると明るい稜線が開ける

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イワカガミ

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ササユリ。崖の方を向いていたので正面から撮れなかった

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アカモノ

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ミツバオウレン? 自信はない

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