中国山地幻視行~瀬戸の絶景と四国山地・七国見山 [中国山地幻視行]
中国山地幻視行~瀬戸の絶景と四国山地・七国見山
瀬戸内海のほぼ中央、広島県・上蒲刈島の七国見山(457㍍)に登った。正確に言えば中国山地ではないのだが、ここでは便宜上「中国山地幻視行」の一編とさせていただく。
なんだ、500㍍もない山か、と思われそうだが、登山口は海抜ゼロ㍍にあり、正味登らないといけない。そのうえ、島の山にはよくあることだが、ほぼ初めから終わりまで急登である。山道は階段状に作られていたが、かなり荒れて崩壊状態だった。近年、登る人もいないらしい。
それでも時々振り返ればベタなぎの瀬戸内海と、その上にそびえる四国山地の眺望が楽しい。雲上に連なる高峰は石鎚、笹ヶ峰、東赤石山であろう。いくつかとがったピークが見える。どれが石鎚であろうか…。
1時間ほど登ると、林間の稜線歩きになった。緩やかなアップダウンを繰り返すと、目の前に木造の展望台が現れた。山道の両側は雑木林で眺望がきかないため、つくられたようだ。見ると、四国側は伐採されている。あらためてじっくりと四国山地を眺める。はるか下には海岸沿いに造船所らしきもの。位置からすると来島どつくであろう。
帰途は別ルートを下った。途中から標高100~200㍍の、島を巻く舗装道の長いロードになった。見れば雑草が生い茂り、ところどころ舗装も剥げて使われている痕跡がない。山頂付近にあった案内板によると、かつては入り組んだ海岸線に道路を通す技術がなく、そのうえ海賊の襲来を恐れた島民が住居や田畑を島の中腹に作ったため、このような鉢巻き状の道が作られたが、今は海岸沿いの道がメーンになったため利用されなくなったようだ。
山名の由来は、安芸、備後、備中、伊予、讃岐、周防、豊後の七つの国が見えるというところから来ている。
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