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中国山地幻視行~山笑う・三倉岳 [中国山地幻視行]

中国山地幻視行~山笑う・三倉岳


 たどり着いた中岳の大岩の上から人の声がする。そのうち、「登りの人がいますよ」と誰かが叫ぶ。仰ぎ見ると、数人が鎖を伝って降りてくる。その列が途切れた。「通してあげてくださあーい」と誰かが言う。どうやら、早く登れということらしい。そそくさと鎖を持ち、岩の上に上がった。そこにはまだ数人が残っていた。合計すると、10人ぐらいの団体らしい。
 ここからは吉和冠と大峰山がよく見える。見事によく似た山容である。左右非対称型というのか、北アでいう白馬岳のかたちである。おそらく形成過程も似たようなものなのだろう。
 一休みして、夕陽岳(下の岳ともいう)へと向かう。途中、長い鎖場があり、先ほどの団体の渋滞が起きていた。また一休み。夕陽岳の、いつもの場所には先客がいた。「来られますか」と聞くが、そうもいくまい。先に陣取ったほうが勝ちだ。その横の隅っこで、周囲の山を眺める。あちこちで、緑に白いボカシのようなものが入っている。少なくはない。タムシバであろう。今が盛りである。こういう風景を昔の人は「山が笑う」といった。源流は中国である。裏へ回り、先ほどの団体さんの横で昼食とした。
 帰途、いつものしだれ桜を見た。どんぴしゃりのタイミングだった。しだれ桜にしては、それほど年季が入っていない。若い桜である。だから、とても元気に見える。近くの菜の花もきれいだったが、ピンクと黄をコラボさせる構図が見つからず、心残りであった。


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大峰山

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吉和冠


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タムシバの花が山を覆う


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筆者

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今年も咲きました

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菜の花もきれいです


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