中国山地幻視行~鈴ケ峰・日差しさす縦走路 [中国山地幻視行]
中国山地幻視行~鈴ケ峰・日差しさす縦走路
この山の頂から、正面に窓ガ山が望める。山名の由来であるキレットの向こう側にあるのは、東郷山であろう。
と、無心に眺めていたら、背後から「あれは雪じゃないですかね」と、声をかけられた。振り向くと、男性が立っていた。「えっどっち?」「ほら、あの谷の向こう。十方山の方角だと思いますよ」。男性は双眼鏡を出して覗き始めた。「あっ、消えちゃった。雲だったか」。こうして、雪山への淡い期待は、文字通り雲散霧消した。男性は「今頃ならあのあたり、真っ白のはずだけど…」と名残惜しそうだった。
このところ雪の予報が出てはいるが、なかなか積もらないねえ。それで話は途切れ、「じゃ、お先に」と、日差しあふれる縦走路に足を踏み出した。
鈴ケ峰。標高312㍍。ここから標高282㍍の鬼ケ城山をめざす。そろそろどこかの山へ…と思っていたところ、あいにく午後に所用が入り、昼までに帰宅できるという条件でこの山の選択になった。しかし、侮ってはいけない。縦走すれば片道1時間はたっぷりかかる。眺めもなかなかいい。
首尾よく鬼ケ城を往復し、鈴ケ峰に戻ってきたところ、別の夫婦連れに出会った。そして、ひとしきり「雪がないねえ」という会話を繰り返した。雪があればあったで嘆き、なければないで嘆息する。勝手なものです、人間は。
鈴ケ峰山頂の標識。ここは三叉路である
2016-01-15 18:35
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コメント(2)
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道ばたのお地蔵さんって誰が掃除しているのでしょうね、
by 山子路爺 (2016-01-20 16:48)
≫山子路爺さま
ちょうど縦走路の鞍部にあるため、近くの団地の人たちの散歩道になっているようです。小屋に掃除道具一式が備えてあり、定期的に誰かが掃除されているようです。ありがたいことです。
by asa (2016-01-21 18:27)