中国山地幻視行~やっぱり遅かった・比婆山 [中国山地幻視行]
中国山地幻視行~やっぱり遅かった・比婆山
秋である。紅葉を見に山へ。さて、どこへ行くか。平地はまだ早いが、山はきっと見ごろだろう。
久々に比婆連山を訪れることにした。10月29日、早朝に家を出て中国自動車道を行く。庄原ICで下りて、山間の道に入る。自宅から2時間ほどで山麓の公園に着く。「六の原」と呼ばれる地点である。身支度を整え、木漏れ日が差す広い山道を行く。月曜日だから人は少ない。
出雲峠を過ぎ、最初の休憩地点である烏帽子山に着いたのは、登りはじめて1時間余りたったころ。風があり肌寒い。いつの間にか日差しは消えて、山々はくすんでいた。ときおりガスが流れる。不穏な空気が漂う。このあたりまでくると、紅葉はほとんどなく山は枯れている。どうやら、遅かったらしい。
烏帽子山の頂上には、夫婦連れらしい二人がベンチで休んでいた。挨拶をすると「どちらから?」と聞く。
「六の原から」
「いや、そうではなくて、元々は…」
「元々? ああ… 広島からです」
「私らは尾道から」
「尾道は私も住んでいたことがあって、懐かしいですね」
「これは、もう終わったんでしょうか」
「?」
「紅葉です」
「ああ、たぶんそうでしょうね」
「天気も悪いし、残念ですね」
はなはだ心もとない会話を交わして、先を急いだ。思ったより風が冷たい。前方の比婆山に一瞬日が当たって、山肌に残った紅葉が華やいだ。
池の段と立烏帽子にはまだ紅葉が残っていたが、むしろ冬枯れの色が濃かった。それでも、三脚を抱えた、登山客と言うよりカメラマニアと呼んだ方がいい人たちがあちこちにたたずんでいた。六の原から歩くとこの地点まで2時間余りかかるが、直接車で入ると駐車場から15分で来ることができる。そんなわけで、この季節、ここは登山靴を履かない人たちであふれる。土日はもっと多かったことだろう。
たしか、昨年も紅葉を見にこの山に来たはずだ。そう思ってブログをめくってみた。10月24日とある。そしてやっぱり「遅かった」と書いている。なんとも反省と進歩がないことだ。
枯れ葉が積もる、比婆山の広い山道 |
池の段の手前、わずかに残る紅葉 |
池の段から、来し方を振り返る。右が比婆山 |
ここまで来るとさすがに秋色。中央は立烏帽子山 |
立烏帽子から池の段を振り返る |
写真で見た限りでは見頃には遅かったみたいですが、それなりに紅葉していますよね。 この時期は、フカフカの落ち葉を踏みしめながら歩くのが好きです。
by おど (2012-10-30 20:48)
自然は人間の期待をわりとあっさりと
裏切ってくれますよね。でも、だから
たまに応えてくれると、すごく嬉しいし
感動します。
by ken_trekking (2012-10-31 07:31)
≫おどさん
写真は選りすぐりの?紅葉の写真をアップしました。実際はもっと地味なものです。でも、落ち葉を踏んで歩くのはいいものですね。
≫ken_trekkingさん
なかなか貴兄のようには、達観できません。でも、まあそう思わないと…というところはありますよね。
by asa (2012-10-31 18:31)